第三百三十八話 教会の人達その一
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第三百三十八話 教会の人達
香織さんは天理教の教会の前に来て僕に言ってきた。
「ああ、ここね」
「通ったことあるよね」
「中に入ったことはないけれど」
それでもというのだ。
「前を通ったことはあるわ」
「そうだよね」
「ええ、ここはね」
門には天理教八条分教会と書いた立て札もある、結構な大きさの和風の建築の神殿神道の神社とはまた違うそれの横につながって自宅もある。自宅の方がずっと小さい。
「通ったわ」
「そうだよね」
「学園の中の天理教の教会とはまた違うわね」
「こっちの方が大きいんだよね」
「そうよね」
「あそこはお家の中に祭壇があるから」
天理教の和風のそれがだ、三つ並んでいるのは親神様教祖様祖霊様のそれだ。
「またね」
「造りが違うのね」
「この教会は信者さんも多くて」
八条家の人全員それに使用人の人もかなりだ、畑中さんもその中におられる。小野さんもそうだとのことだ。
「それでその下の教会もね」
「多いの」
「十位あるかな」
僕の知る限りでだ。
「学園の教会もね」
「その教会の一つなの」
「そうなんだ」
まさにというのだ。
「学園の教会もね」
「そうなのね」
「それで大教会の直属の教会だから」
天理教の教会は神殿本部があってその下に大教会が百五十位ある、そしてその下に分教会がそれぞれの系列で存在しているのだ。
「だからね」
「余計に大きいの」
「うん、ただ自宅はね」
「あっ、神殿の方が大きいわね」
香織さんもそのお家を見て言った。
「どうも」
「生活自体はね」
「質素なのね」
「この教会が所属している大教会は八尾市にあるんだ」
大阪府八尾市にある奥華大教会だ、二百七十位の教会が所属している天理教の中でも結構な大きさの大教会だ。
「そちらもね」
「神殿は大きいのね」
「それで自宅はね」
大教会長さんのお家はだ。
「質素なんだ」
「そうなの」
「天理教は質素だよ」
本当にそう思う。
「自分達にはお金使わないんだ」
「そうなの」
「他の宗教もそうだと思うけれどお布施を貰ってるから」
信者の人達からだ。
「粗末にはね」
「使えないのね」
「服とか食べものも貰いものが多いし」
だから尚更だ。
「本当にね」
「お金を大事に使ってるの」
「そうなんだ、自分のことに使わずに」
それでだ。
「神様のことにね」
「使っているのね」
「これは他の宗教も同じで」
それでだ。
「お寺も神社もで」
「キリスト教もよね」
「そちらもね」
当然としてだ。
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