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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
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莉愛side

試合が始まってから約一時間ほどが経過した。スコアボードに目を向けると、そこにはずっと0が並んだ状態で来ている。

「やっぱり陽香さんすごいね!!」
「うん!!東英打線をずっと抑えてるもんね!!」

現在は5回の表でこちらの攻撃中。4回まで相手にランナーは許すものの、後続をしっかり断ち相手に失点を許さない陽香さんはさすがエースといった感じだ。

「あとは点を取ってくれれば……」
「うん。勝てそうなんだけど……」

守備がいいだけに早く点数を取ってリードをしたい展開。しかし、相手のエースである後藤さんはそれ以上の投球を見せていた。

「ストライク!!バッターアウト!!」

一打席目にヒットを放った莉子さんが膝元に落ちるスライダーに空振り三振で1アウト。そう、こちらはいまだにヒットがわずか一本に抑えられているのだ。

「今日の後藤さんは今大会一番の出来だと思うよ」
「今日勝てば明日は投げなくていいだろうから、思いっきり飛ばしてるよね」

初回からエンジン全開の後藤さん。ストレートも走っており変化球もキレキレ。これでは得点はおろかヒットを打つのだって簡単ではない。

「これは我慢比べだよね。どっちが先に点数を取れるか」
「東英は何回も得点圏にランナーを進めてるから、この終盤はすごく大事だよ」

両チーム残りの攻撃機会は3回。こうなれば先に点数を奪った方が断然優勢になる。それはわかってるんだけど……

ガキッ

明里さんは追い込まれてからの内角のストレートに詰まらされてセカンドゴロ。既に2アウトになってしまったことため、この回での得点は難しくなってしまった。

「うちの勝負どころは最終回になりそうね」
「そうね。上位打線から始まる7回まで凌ぎきれれば……」

最後の最後が勝負の分かれ目。ここから下位打線に向かっていくことを考えれば誰でもそう考えてしまう。しかし、その考えは一瞬のうちに打ち砕かれた。

カキーンッ

「「「「「え?」」」」」

両チームが……いや、球場全体が予期していなかった事態に身を乗り出した。何なら監督なんか真っ先にベンチから身を乗り出してライトに高々と打ち上げられた打球を見送っている。

「これは入ったわね」

瑞姫が打球を見ながらそう呟く。彼女の言葉の通り、葉月さんが放った打球はライトスタンドへと吸い込まれた。

「「「「「入ったぁ!!」」」」」

思わずスタンドにいる私たちは声を張り上げた。それはベンチも同様で、好投を続けていた陽香さんは手を挙げ、ガッツポーズをしながらダイヤモンドを一周している葉月さんに笑顔を向けている。

「そっか!!葉月さんがいたの忘れてた!!」
「打撃力なら優愛さんに引けを取らないスラッガーだもんね!
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