暁 〜小説投稿サイト〜
イベリス
第二十五話 アルバイトもしてその三

[8]前話 [2]次話
「なくしました、一人目の子が保護されたうえで」
「結局その人達は犬を飼う資格がなかったんですね」
「子供を育てる資格も」
 これもというのだ。
「そして禁治産者になりお酒に溺れ」
「破滅ですか」
「二人共廃墟同然の家で腐乱死体となり発見されたそうです」
「無残な末路ですね」
「外道の末路はこんなものです」
 速水の言葉はここでも冷たかった。
「所詮は」
「そうなるものですか」
「はい」 
 まさにというのだ。
「それが人の世の摂理です、そしてお話を戻しますがお散歩は」
「人にもよくて」
「ワンちゃんにもです」
「いいんですね」
「適度な運動で健康維持とストレスの発散になります」
「あと世の中を知って社交性も出来るので」
「ですから」
 そうしたメリットもあってというのだ。
「人も犬もです」
「身体を動かすべきですね」
「それがわかっていない犬の飼い主なぞ」
「最初から飼う資格はないですね」
「彼等はその犬も自分達の子供もおもちゃと思っていました」
 それに過ぎなかったというのだ。
「だから邪魔になるとです」
「ポイ、ですね」
「そして次のおもちゃが出来ますと」
「それで遊ぶだけだったんですね」
「こうした人達は死にますと」
 どうなるのかもだ、速水は話した。
「人には生まれ変わりません、勿論犬にもです」
「餓鬼になるんですね」
 愛との話を思い出しつつ言った。
「そうですね」
「あまりにも浅ましい輩が餓鬼になるのです」
 死んで餓鬼道に堕ちるというのだ。
「そうなるのです」
「そうですか」
「ですから」
「人間浅ましいことはですね」
「しないことです」 
 絶対にというのだ。
「餓鬼になりたくないなら」
「さっき塔のカードでしたよね」
「破滅ですね」
「餓鬼になるということは」
「そうです、人としてです」
 まさにというのだ。
「破滅することなのです」
「恐ろしいことですね」
「私もなりたくないです」
 速水自身もというのだ。
「人として」
「そうですよね」
「こうした人達を見れば」
 その時はというと。
「ああはなるまいです」
「そう思うことですね」
「浅ましい人、卑しい人、悪人はです」
「見るとですね」
「ああはなるまいです」
 その様にというのだ。
「思い反面教師にして」
「実際にそうしていくことですね」
「それが大事です」
「そういうことですね」
「さもないと先程のカードです」
「塔ですか」
「私は餓鬼になる様な人の末路は一つと考えています」
「塔ですか」
 咲も言った。
「それしかないですか」
「そうでなくとも逆です」 
 カードのそれだというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ