第十九話 初詣その六
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そしてその暑さについてだ。彼もこう言うのだった。
「この暑さもまたね」
「いいの?」
「だってさ。お正月って冬じゃない」
暦では新春と言うがだ。新暦となっている今では皆こう捉えている。
「その冬でもね。暖房を入れた訳じゃないのに」
「暑いことがなのね」
「そう。人がいて暖かいっていうのはね」
「それがいいのね、希望は」
「うん。人って暖かいんだね」
集れば暑い位にまでだ。そうだというのだ。
「それって面白いよね」
「そうだよね。いいよね」
「うん。だから」
いいとだ。希望は言うのだった。
そして隣にいる真人と鈴にもだ。笑顔で言うのだった。
「じゃあ今から、暑いけれどね」
「はい、住吉大社に」
「今から行こうね」
「そうしよう」
二人にも笑顔で告げて。そのうえでだった。
四人で駅を出て神社に向かう。八条鉄道の住吉駅から住吉大社まですぐだ。だがそれでもだった。
人があまりにも多いので中々進めない。しかし神社は見えていた。
その神社の中、少し見えるそこを見てだ。真人が笑顔で言った。
「お店が凄いですね」
「うん。入り口から見えるのだけでもね」
「凄い数ですね」
「しかも色々な種類のものが売ってるね」
「流石は住吉ですね」
真人は出店を見ても幸せを感じていた。
「本当に」
「そうだね。住吉大社ってだけはあるよね」
「そう思います。それで参拝の前後に」
行く前だけではなかった。それからもだった。
「何を買われますか?」
「そう言われると色々だね」
出店の数も種類も多い。それではだった。
「一つに絞れないよ」
「多過ぎてですか」
「お金はあるから」
「僕もです」
出店で買うだ。それだけのものはあるというのだ。
「だからね」
「何でも買えばいいですね」
「そう思うよ。それじゃあね」
「はい、入りましょう」
何はともあれそれからだった。四人で神社の中に入りまずはだった。
たこ焼きにお好み焼き、それと焼きそばを買った。そうしたものを食べながら進む。そうして。
四人はある橋の前に出た。その橋はというと。
丸い、アーチ状だが普通のアーチではない。
橋の長さ自体は短くそのうえ盛り上がっている。まるで小山の様に。
その木の橋を見てだ。真人が笑みで言った。
「たいこ橋も久し振りですね」
「そうだね。見るのも」
「渡るとしたら」
「それも久し振りになるね」
「やっぱり渡りますよね」
真人は笑みで希望に顔を向けて尋ねた。
「そうされますよね」
「うん、勿論だよ」
「では行きますか」
「住吉に来たらね。やっぱりね
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