第四百七十六話 魔王の来訪その六
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「そのことが素直に嬉しい」
「言ったな、姿形がどうでも心が人間ならだ」
「人間か」
「だからこの娘も同じだ」
「人間だな」
「そうだ」
微動だにしていない返事だった。
「それもかなり心の奇麗なな」
「そのこともわかるか」
「目や人相でわかる」
その心はというのだ。
「この娘はいい娘だ」
「その通りだ、アクはいい娘だ」
九内も認めることだった。
「私が保証する」
「そうだな」
「だから最初出会った時は酷いものだった」
「迫害でもされていたか」
「その通りだ、教養のない村にいてな」
その為にというのだ。
「何かと虐げられていた」
「だが今は違うな」
「この村に私と共にいる」
九内は門矢に答えた。
「それが答えだ」
「そういうことだな」
「仲間はこの娘だけではない」
九内はこうも言った。
「皆ここに集まっている」
「このあんたの家にだな」
「そうだ、彼等とも会ってくれるな」
「その為に来た」
門矢はまた一言で答えた。
「では紹介してくれ」
「それではな」
「あら、格好いい人達が来たわね」
茶色い髪の毛を頭の上で団子にセットした太った女性が出て来た、全体的に風格と気品がある。堂々たるものだ。
「その人達がなのね」
「はい、仮面ライダーです」
今度は光が応えた。
「宜しくお願いします」
「やっぱりそうなのね」
「はい、それで貴女は」
「エビフライ=バタフライよ」
女は自ら名乗った。
「これから宜しくね」
「わかりました」
「彼女とアクは戦わない」
九内はそのエビフライだけでなくアクのことも話した。
「所謂サポート要員だ」
「そうですか」
「よく働いてくれている」
九内はこうも言った。
「いつも有り難く思っている」
「あの、私は何も」
「私は別に働いてないわよ」
「戦っていないですから」
「それで言われてもね」
「サポートもいなくて戦えるものじゃない」
九内は冷静な声で答えた。
「だからだ」
「それで、ですか」
「私達は役に立っているのね」
「そうだ」
その通りだというのだ。
「何も負い目に感じることはない」
「その通りだよ」
海東も言った。
「サポート役がいないとね」
「戦えないな」
「すぐにそうなるよ」
「後ろを支えてくれる人がいないとだ」
「長い間充分には戦えないよ」
「整備や補給は基本だ」
九内はこうも言った。
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