第13節「復活のガングニール」
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い耳打ちが挟まる。
隣に立つ奏が、座りの悪そうな表情で口に手を添えていた。
「タロットカードよ。トランプの元になったもので、引いたカードの絵とカードの位置の上下で、物事の吉凶を占うの」
「へぇ〜……アタシは占いとかサッパリだから、分かんないや」
「詳しい事は、後で翔くん辺りに聞けば教えてくれると思うわ。純くんも一発で分かった辺り、結構嗜んでるわね」
「へーい」
おそらく聞いても分からないだろうな、と思いつつ、奏は生返事で返すのだった。
「加えて、僕と同じく躯体の一体で、参謀を任されているノエル。以上が僕の知る限り、キャロルが有する戦力になります」
「おいおい、双子どころか三つ子かよ……」
「奴らの総戦力は、たった1体でシンフォギアをも凌駕する戦闘力から見ても、間違いないだろう」
このままでは勝てない。
それは誰が口にするでもなく、ただ、歴然と立ちはだかる事実であった。
だが、ここで弦十郎が口を開く。
「超常脅威への対抗こそ、俺たちの使命。この現状を打開するため、エルフナインくんより計画の立案があった」
「──ッ!」
一同がスクリーンに目をやると、そこにはでかでかと、赤文字で表記されたプロジェクトネームが映し出されていた。
「『Project IGNITE』だ」
スクリーンが切り替わり、表示される複数の図面。
新たな形へと改修されたコンバーターに、従来のものと比較して一部に差異の見受けられる天羽々斬とイチイバルのシルエット。
それらはエルフナインによって提案された、強化型シンフォギアの設計図だった。
「こちらが、Project IGNITEに関する資料です」
「……イグナイトモジュール。こんな事が可能なのですか?」
破損したシンフォギアの修復、及び新機能追加を始めとした大幅な改修計画。未だかつて無いプロジェクトに、緒川は了子の方へと声をかける。
「私も資料には目を通してるわ。危険ではあるけれども理には適ってるし、この通りならアルカ・ノイズにだって対抗可能よ」
「錬金術を応用することで、理論上不可能ではありません。リスクを背負うことで対価を勝ち取る……。そのための魔剣『ダインスレイフ』です」
開発者の了子と、提案者であるエルフナイン。
2人の声を遮るように、緊急アラートが鳴り響いた。
「──アルカ・ノイズの反応を検知ッ!」
「位置特定ッ!モニターに出しますッ!」
藤尭、友里が監視カメラの映像をモニターに表示する。
そこに映っていたのは、雨の中を走る響と未来。
そして、2人を追いかける赤髪のオートスコアラーと、それを取り巻くアルカ・ノイズの群勢であった。
「立花ッ!?」
「アイツ……ッ!まだ、唄えないってのに……ッ!
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