第13節「復活のガングニール」
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「それはマリアだけじゃないよ」
「アタシたちだって同じデス……」
言葉には出さなかったが、ツェルトも同じ事を思っているのだろう。
右腕の義手を見つめながら、彼は静かに拳を握っていた。
ちょうど、雨が降り始める。
ツェルトが持って来た2本の傘の1つを調に渡し、もう1本を自分とセレナの上に広げた。
「……昔みたいに叱ってくれないんだな」
「……大丈夫よ、マム。答えは自分で探すわ」
語りかけても応えてくれない、堅く冷たい墓標。
それでも彼女たちは、その沈黙をエールと受け取り、静かに立ち上がる。
「ここはマムが遺してくれた世界デス」
「答えは全部あるはずだもの」
「きっといつか、その答えの全てを見つけ出します」
「だから……見守っててくれ。マム」
かつてF.I.S.だった子供たちは、5人全員が微笑みを浮かべて、安らかに眠る母の墓標を見つめていた。
──と、その時だった。
本部からの緊急通信が入って来たのは。
ff
同じ頃、S.O.N.G.本部では。
「先日響さんを強襲したガリィと、クリスさん、純さんと対決したレイア。これに翼さんがロンドンでまみえたファラと……未だ姿を見せないミカの4体が、キャロルの率いるオートスコアラーになります」
「人形遊びに付き合わされて、このていたらくかよ……」
エルフナインによって、キャロルの戦力の確認と対策の会議が行われていた。
学院から戻った純も加え、スクリーンにはこれまで戦ったオートスコアラー達との戦闘記録が再生されている。
「その機械人形はお姫様を取り巻く護衛の騎士、といったでしょうか?」
「彼女たちは、4体合わせて“終末の四騎士”と呼ばれていました。それぞれの正式名称も、水天使の聖杯、土天使の硬貨、風天使の剣、火天使の杖と名付けられています。ですが、スペックを始めとする詳細な情報はボクに記録されていません……」
「大天使の名前にアルカナ……随分と仰々しいネーミングしてるね」
緒川の言葉に、エルフナインは4体のオートスコアラーの名前をフルネームで読み上げる。
純はその名前に、一発で心当たりを付けていた。
「ん〜、製作者のセンスなのかしら?それとも、それぞれが担ってる機能に照らした名前になってたりするのかしらね?」
名前には必ず意味がある。科学者の視点から、了子は4体の名前が示す物を考察しようと、思考を組み立て始めていた。
「了子さん、アルカナってなに?」
「え?奏ちゃん、アルカナ知らないの?」
「いや、そんな常識みたいに言われても……」
と、その思考を一時中断せざるを得な
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