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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第101話:蛇の脱皮
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自身の頭に触れる透の手の温かさに、クリスは頬を綻ばせる。
さて、メデューサも倒せたしソロモンの杖も取り戻せたが、戦いはまだ終わってはいない。やるべきことはまだ残っている。
クリスがシンフォギアを再び身に纏い、次の戦いに赴こうとしたその時、突然背後の崩れた洞窟が内側から弾け飛んだ。
「な、何だっ!?」
「ッ!?」
突然の出来事に驚くクリスだったが、透はすぐに何が起きたかに気づいた。メデューサだ。あの崩落に巻き込まれたにも拘わらず、彼女は生き延びてみせ再び2人の前に姿を現したのだ。
「き、さまらぁ――――!」
「テメェ、いい加減しつこすぎだぞ」
流石にげんなりした様子を隠せないクリスだったが、心のどこかでは楽観視していた。今のメデューサは満身創痍だ。戦うどころか、捕らえることも造作もない。
そう思ったのも束の間、唐突にメデューサが体を抑えて苦しみだした。まるで自分の体を突き破ろうとしている何かを押さえているかのようである。
「うぐぅっ!? はぁ、はぁ……ぐっ!?」
「何だ? どうした?」
「…………!?」
怪訝な顔をして様子を見ていたクリスに対し、透はそれが何を意味しているのかに気づいた。この状況、ルナアタックの最終決戦時のヒュドラと似ているのだ。
それを証明するかのように、メデューサの体には徐々に悍ましい光を放つ罅割れが広がっていく。
「こ、この身砕けようと、ワイズマンの為に!」
しかもあろう事か、メデューサは自ら魔力を暴走させファントムの誕生を促した。自分が助からないことを悟り、地獄への道連れにファントムとなった自分に透とクリスを始末させようというのだろう。
「うあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
絶叫と共にメデューサの体が内側から弾け、その場には蛇の髪を持つ異形の存在、メデューサファントムが誕生していた。
「ふふふっ、いい気分だ。さぁ、お前達も絶望させてやろう」
蛇が絡み合ったような杖を向けるメデューサファントムを前に、透とクリスも武器を手に身構えるのだった。
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