暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第101話:蛇の脱皮
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そろトドメだ!」
〈イエス! スペシャル! アンダスタンドゥ?〉

 腹を抑えて蹲る透に対し、トドメを差そうと石化の魔法を放とうとするメデューサ。

 それを見て、クリスは1つの賭けに出た。

「アーマーパージ!!」
「ッ!? 何ッ!?」

 クリスの隠し玉であるアーマーパージ。全身の装甲を一気にパージし、吹き飛ばした装甲で周囲の敵を一掃する技だ。以前颯人も組み付いた状態から引き離されたその技は、クリスの周囲に蔓延るノイズだけでなく魔法発動直後のメデューサすら吹き飛ばし、更には周囲を土煙で見えなくした。

「えぇい、忌々しい!?」

 これでは石化の魔法が使えない。あれは相応に魔力を消費するので、当たるを願って周囲に乱射すると言った事が出来なかった。

 メデューサは周囲を警戒した。この土煙は2人が反撃の為の一手を放つ為の隠れ蓑だ。これに紛れて、2人は何かアクションを起こしてくる筈。

 その読みは正しく、土煙を突き破ってクリスがメデューサに飛び掛かった。アーマーパージの影響で全裸となり、辛うじて胸を腕で抑えた状態で彼女はメデューサからソロモンの杖を奪い取ろうとしたのだ。

「舐めるなッ!」

 しかしクリスの奇襲は失敗に終わった。気配も殺さず接近してきたクリスはとっくにメデューサに見つかっており、あっさりと回避されると首を掴まれ仰向けに地面に押え付けられた。

「あぐっ?!」
「小癪な真似をしてくれたな。だがそれも無駄に終わった訳だ」
「ぐ……はっ、そいつはどうかな?」
「何?」

 完全に無防備な状態で押え付けられていると言うのに、それでも尚余裕を見せるクリスにメデューサが首を傾げた。

 その瞬間、クリスの目前に魔法陣が出現しそこから突き出されたカリヴァイオリンがメデューサの胸を突いた。

「がはぁっ?!」

 完全に予想外だった。まだ周囲に土煙が舞い、視界が満足に確保できない中でこんな攻撃をしてくるとは思ってもみなかったのだ。

 これがクリスの本当の狙いだった。敵も味方も視界を制限された状態でなら、メデューサの警戒も僅かに緩む。そしてそこに、抗う術を持たないクリスがメデューサに立ち向かえば彼女の注意は透から逸れる。

 恐ろしいのはこの作戦を、一切の打ち合わせなしに行った透とクリスのコンビネーションだろう。透は知っての通り言葉で意思疎通が出来ない。だがこの2人は、言葉に頼ることなく互いの思いを伝えあう事が出来るのだ。
 愛の成せる業と言ってしまうのは些か陳腐に聞こえるかもしれないが、これ以上に2人の絆の強さを表現する言葉は存在しないだろう。

 透の放った攻撃は会心の一撃となってメデューサを穿ち、ソロモンの杖を持つ手が緩む。その隙を見逃さず、クリスは立ち上がるとメデ
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