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八条学園騒動記
第六百三十三話 幸い来なかったその十二

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「悪い奴もな」
「いるものだからね」
「それが人間の社会でな」
「そうした馬鹿もだね」
「いるものだ」
 何時でも何処でもというのだ。
「だからな」
「今の日本でもだね」
「いる」
 間違いなくというのだ。
「馬鹿はな」
「そうだよね」
「残念だがな」
 マチアは表情を実際にそうしたものにさせた、そうしたレベルの愚か者がいることをそう思ってのことだ。
「いる」
「そうだよね」
「しかし暴れるドキュンとどちらがましか」
「馬鹿は馬鹿でもだね」
「それはわからないな」
「暴れないだけましかな」
「しかし人の痛みや苦しみをわかろうともしないなら」
 それならというのだ。
「やはりな」
「どうしようもないしね」
「そこまでいくとな」
 マチアはさらに言った。
「生きていてもな」
「仕方ないよね」
「人間は人の痛みがわかってこそだろ」
 苦しみや悲しみをだ。
「テロで殺されてもテロしている連中が権力に反対しているならいい」
「殺された人のことを考えようとしないなら」
「自分がだ」
 マルコに怒って話した。
「まずな」
「殺されろだね」
「そういう奴こそ逃げるか」
「殺されるとなったらね」
「それかだ」
 若しくはというのだ。
「泣いて命乞いするか身代わりを立てるかだ」
「自分だけはだね」
「助かろうとするに決まっている」
「そうだろうね」
「そこまで考えるとな」
 そうすると、というのだ。
「そうした奴はな」
「生きる価値がないね」
「そんな奴が子供だったら」
 それならというのだ。
「本当にまともな親御さんだとな」
「泣くね」
「そうなる」
 こう言い切った。
「親戚でも嫌だ」
「そんな馬鹿はね」
「そんな奴が親戚にいなくてよかった」
 マチアは心から言った。
「そして暴力を振るうドキュンとどぢらがましか」
「ぞれはだね」
「わからないな」
「そうだね」
 マルコも頷いた、そうしてだった。
 店の終了を待った、そして遂にその時が来た。おかしな客も来なかった。


幸い来なかった   完


                  2021・8・24
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