第三百三十七話 天理教の教会その九
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「漱石よりもさらに頭はね」
「よかったのね」
「そうだったかも知れないけれど」
それがだ。
「おかしくなって」
「自殺して」
「そうした中の作品だから」
どうしてもだ。
「考慮しないとね」
「そうしたことを」
「見誤るよ」
「ドッペルゲンガーについても」
「ゲーテはまともだったよ」
この人が狂気に陥っていたとは寡聞にして知らない、ベートーベンと頑固者同士大喧嘩したことは聞いている。
「だから信じられるけれど」
「芥川の場合は」
「どうもね」
「信じられないのね」
「末期の芥川は侠気に陥っていた」
このことはだ。
「芥川の作品を読んで芥川について考える」
「その中でなの」
「絶対に忘れたらいけないから」
「自殺もしてるし」
「そう、それを考慮しないで読んだりすると」
そして考えるとだ。
「間違えるよ」
「太宰の自殺と同じかしら」
「殆ど同じだろうね」
太宰は侠気に陥っていなかったけれどだ。
「太宰は躁鬱症だったかも知れないけれど」
「鬱じゃないの」
「普段は明るかったらしいから」
意外なことにだ。
「作家さんとしては珍しく朝型だったらしいし」
「作家さんって夜お仕事する人多いのよね」
「そう言われているけれど」
太宰の場合はだ。
「太宰は違っていて」
「普段は明るかったの」
「みたいだよ、それでも自殺してるし」
このことは事実でだ。
「やっぱり太宰もね」
「自殺していることは忘れたらいけないわね」
「太宰って芥川を凄く意識していたけれど」
その一生は芥川をなぞっているのではという人もいる位だ、芥川をずっと深く敬愛していただけにだ。
「この人にもだし」
「それで芥川も」
「狂気に陥って自殺までした」
「そのことからも考えないといけないのね」
「それで芥川の食べものの好みとか言っても」
あるドラマで言っていた。
「それが末期の作品で書いてあったことだったら」
「おかしくなっていたことを意識しないといけないわね」
「それを考慮して読まないと」
前期と中期、後期で作風が全く違うこととそしてどうしてそうなったかもその作品がどの時期で書かれたかも考えないとだ。
「おかしなことを言うことになるから」
「注意することね」
「このことはね」
どうしてもだ。
「それでドッペルゲンガーのことも」
「そうした精神状態だったから」
「相当おかしくなってる状態の人の言うことだってね」
まさに自殺する直前だったのにだ。
「鵜呑みにすることはね」
「よくないのね」
「だから僕は芥川については」
この人のドッペルゲンガーはだ。
「信じていないんだ」
「そうなのね」
「実はね。しかしね」
「しかし?」
「そのドッペルゲン
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