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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第三百三十七話 天理教の教会その八
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「あの人は最後の方かなりおかしかったから」
「自殺してるのよね」
「自殺する二年前から作風も変わるんだ」
 それもがらっとだ。
「狂気を感じさせる作品か凄く暗い作品か」
「そうした作品を書いていたの」
「河童とか或阿呆の一生とかね」
 あと夢とかつね子の憂鬱とかだ。
「馬の脚なんか凄いよ」
「おかしいの」
「死んで生き返るけれど何でか足が馬のそれになるんだ」
 生き返らせても足がないので丁度死んだばかりの馬の足を代わりにつけてだ、このこと自体が奇怪な展開だ。
「それで馬の足を人に見せられない、蚤が出て痒いとか」
「そうしたお話なの」
「世の中の理不尽さを書いたらしいけれど」
 人が言うにはだ。
「もうかなりね」
「おかしな作品なのね」
「狂気を感じさせるね」
 読んでいてそれを強烈に感じた。
「もう頭がおかしいのかってね」
「思える作品なのね」
「最後奥さんにその足を見せて失踪して」
 そうしてだ。
「何処かで死体になって見付かるけれど」
「何か聞いてるだけで変ね」
 香織さんも聞いて言った。
「確かに」
「この作品もおかしくて」
 そしてだ。
「歯車はもう自殺する直前に書いた作品だから」
「余計におかしいの」
「もう明らかにまともじゃないから」
 書いている芥川の心理状況はだ。
「まさに自殺する直前の」
「狂気ね」
「それに満ちた作品だから」
 それでだ。
「そこに書いてあることもね」
「まともに読まない方がいいの」
「ドッペルゲンガーが出たといっても」
 そう書いてあってもだ。
「果たしてそれは本当にそうか」
「おかしくなっている状態で書かれているから」
「本当に末期の芥川はおかしくて」
 そうなった理由は色々言われている、母親が狂人だったので息子の自分もそうなると恐れていたとか小説家としての限界を感じていたとか。
「そのことを考慮しないといけないから」
「じゃあ芥川のドッペルゲンガーはいなかったの」
「その可能性も高いと思うよ」
 僕としてはだ。
「本当にまともじゃなかったから」
「おかしくなっていたから」
「だからね」
 まさにその為にだ。
「そこを考慮して読まないといけないから」
「芥川の場合は」
「違っていたかもね」
 狂気の中の幻影か幻聴だったかも知れない。
「最初の頃の芥川が書いたなら兎も角」
「その頃だと」
「地獄変とか書いていた頃はね」
 文壇の寵児となっていた頃だ。
「元々抜群の秀才だったし」
「東大出てたわね」
「一高からね」 
 それも成績があまりにもいいので無試験で入学出来たらしい。
「英語も漢文もすらすらで」
「教養も高かったの」
「海軍で英語教えていたし」
「本当に凄かったのね」
「夏目漱
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