第三百三十七話 天理教の教会その七
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「基本はね」
「奈良県におられるの」
「天理市にね」
天理教の神殿本部がある場所だ、天理教でおぢばと呼ばれる場所だ。
「あっちの高校に通っておられて」
「大学もなの」
「そうなんだ」
「じゃあ天理大学?」
香織さんは僕に聞いてきた。
「それじゃあ」
「うん、高校は天理高校なんだ」
「やっぱりそうなの」
「どっちも私立で」
天理教が運営している学校の一つだ、どちらも。
「寮もあるから」
「寮におられるの」
「今は詰所って場所におられるらしいよ」
信者さんがあちらに滞在する時に利用する宿泊施設だ。
「そうしてね」
「大学に通っておられるのね」
「そうなんだ、それで教会ではね」
あちらに行くとだ。
「いつも法被を着ているから」
「あの学園の天理教の人がいつも着ている」
「黒い法被ね」
背中に天理教と書いているのが特徴だ。
「あの法被を着てね」
「おられるの」
「それで見分けられるんだ」
「そうなの」
「本当にそっくりだけれど」
何もかもがだ。
「けれどね」
「別の人で」
「服で違いがわかるんだ」
「そうなのね」
「まあ外見だけだと」
声もそっくりだした。
「親御さんでも見分けつかないらしいから」
「そこまでそっくりなのね」
「そうなんだ」
「マジックの人は知ってるけれど」
香織さんはそちらの人のことを話した、尚この人はもう同じ大学つまり八条大学の人とお付き合いしている。マジックでアルバイトもしているサイドカーに乗った人だ。
「あの人とそっくりね」
「それで外見はわかるね」
「ええ、あの人は知ってるから」
「クローンじゃなかったら」
僕はこうも言った。
「ドッペルゲンガーだってね」
「言われてるのね」
「うん、まあドッペルゲンガーはね」
僕はこの存在のことも話した。
「実際に見たら危ないらしいけれど」
「もうすぐ死ぬのよね」
「何でも魂が身体から出て」
そうしてだ。
「見るらしいから」
「魂が身体から出てると」
「もうね」
「長くないわね」
「そう言われてるよ、ただね」
僕はドッペルゲンガーのこの話もした。
「ゲーテも見たらしいけれど」
「あの文豪の」
「ファウストとかのね」
「あの人も見たの」
「部屋に入ったら本を読んでる自分がいたらしいんだ」
「それがドッペルゲンガーね」
「けれどゲーテはそれからも生きたから」
結構長生きしている。
「あながちね」
「そうも言えないのね」
「あと芥川龍之介もいたらしいけれど」
歯車という作品で書いている。
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