とっておきの夏(スケッチブック×のんのんびより)
具、そして池
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いえばさっき樹々さんが『まるで湖みたい』って言ってありましたけど、池と湖の違いってなんなんですか?」
渚「実はね。湖や沼、池に明確な違いというものはないんだよ」
れんげ「そうなん?」
渚は頷くと『話せば長くなるんだけど』と前置きしてから話し始めた。
渚「環境省の定義によると湖は『水深が深く植物は湖岸に限られ、中央の深いところには沈水植物ーーー平たく言うと水草のことだねーーーが見られないもの』、沼は『湖より浅く、最深部まで沈水植物が繁栄するもの』、池は『通常、湖や沼の小さなものをいい、特に人工的に作ったもの』とされているんだ」
小鞠「じゃあ、水深が深くて水草が育たないのが“湖”で湖より浅くて水草が育つのが“沼”、湖や沼より小さくて人工的に造られたのが“池”なんですか?」
渚「そういうことになるね」
ひかげ「あれ?でもさー、ダム湖にはだいたい“〇〇湖”って名前がついてんじゃん。あれって池じゃないの?」
渚「うん。ダム湖は定義的には“池”なんだけど、池より大きいものが多いからという理由で“湖”に分類されているんだ」
空:曖昧でとても分かりにくい…。
渚「そう思うだろう?私も初めは分類の定義は水深かと思っていたんだけど、群馬県の菅沼は“沼”のくせに水深が一般的な沼よりもずっと深い92mもあって環境省の定義から外れているし、とにかく分かりにくいんだよ」
渚「だけど面積だけでいえばこの定義はしっかり守られているんだ」
一穂「ふーん」
渚「分かりやすいように紙に書き出してみましょうか」
そう言って渚は紙とペンを取り出した。
渚「まず湖の面積日本一は言わずと知れた滋賀県の琵琶湖で面積が269?、同じく沼は千葉県の印旛沼で9.4?、池は鳥取県の湖山池で6.9?、人造湖は北海道の朱鞠内湖で23.7?…と」サラサラ
渚「ね?きちんと定義どおりに分類されているでしょう?」
なっつん「おお、本当だ!」
渚「まあ実際のところは昔からの呼び名が環境省の登録名になったケースがほとんどみたいだし、分類の定義に囚われずもっと柔軟に考えていいんじゃないかと思うよ。昆虫の名前だってそういうことが多いしね」
渚「どうかな、蛍君。分かったかい?」
蛍「なるほど、よく分かりました。解説ありがとうございました!」ペコ
蛍は深々と頭を下げた。
渚「いえいえ、どういたしまして」
なっちゃん「相変わらず栗原先輩の知識量って凄かですよね」
渚「ビオトープ管理士を目指しているからね。これぐらい知ってて当然だよ」
渚「それにしてもこの池は自然との調和がとれていて
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