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不落戦艦「キイ」〜宇宙戦艦ヤマト2202・鋼鉄戦記〜
序章 月の海にて
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というのも火星軌道に展開した偵察衛星より、冥王星から超大型弾道ミサイルが発射され、一路地球へと向かっているとの情報が入ってきたからである。恐らく先の威力偵察艦隊を殲滅された事に対する腹いせのつもりであろう。
そして現時点で地球に残された全戦力である宇宙艦艇13隻は、これを迎撃するために月軌道に集結し、今か今かと待ち構えていた。
「たったこれだけしか残っていないのか…」
母艦「レキシントン」から発進したトーマスは、横陣を敷いて迎撃態勢を取る宇宙艦隊の全容を見て、苦々しい表情を浮かべながら評する。
かつて地球は太陽系全域の治安維持と国防のために3000隻以上の艦艇を保有し、配備していたが、この8年間の戦闘で激しく消耗し、現時点で直ぐに出撃出来たのは僅か13隻に過ぎず、中でも艦隊旗艦を務める戦艦「キリシマ」は、3週間前の『オペレーション・プルート』にて負った損傷を応急修理したばかりであり、手負いの戦艦1隻を出さねばならぬ程に今の国連軍は戦力が足りていなかった。
『艦隊全艦に次ぐ。本艦隊の目的は敵弾の破壊ではなく、一点に集中砲火を浴びせて軌道を狂わせ、無害ないし被害が軽微で済む地域に落下させる事にある。何としてでもこの座標には落とさせるな』
国連宇宙軍防衛総軍司令の
土方竜
(
ひじかた りゅう
)
大将が広域通信で流し、将兵一同は気を張り詰めさせる。そして目前に黒く巨大な物体が見えてきて、トーマスは目標を認識する。
『アレか…!』
『なんてデカさだ…』
かつて地球人類が大気圏内で争っていた頃に開発された、如何なる弾道ミサイルをも凌駕するサイズを持つそれに、多くの将兵が唖然となる。しかし敵の技術力と国力の高さに震え上がっている時ではない。
『艦隊全艦、攻撃開始せよ!』
「全機、突撃開始!ありったけのミサイルを指定されたポイントに叩き込め!」
トーマス以下8機の〈コスモデバステイター〉は急加速し、目前に迫りくる超大型弾道ミサイルの一点に照準。一斉に空対艦ミサイルを叩き込んだ。
16発もの大型ミサイルが一か所に集中的に叩きこまれ、艦隊各艦はそこを目印に砲撃とミサイル攻撃を集中させる。
この集中砲火によって巨大弾道ミサイルは僅かに軌道がぶれ、僅かに進路を曲げる。それに多くの将官が成功したと喜んだのもつかの間、弾道ミサイルは推進部の無数に搭載されたロケットの推力を微妙に変動させて進路を修正。そして仕返しとばかりに国連宇宙軍艦隊の近くを通過。ロケットから発せられるプラズマの波が艦艇を揺らした。
「うおっ!?」
トーマス機もプラズマの波に当てられて揺られ、トーマスは何とか操縦桿を動かして姿勢を正す。しかし幾つかのセンサーが損傷した様で、エンジンに異常が生じていないのが
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