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おぢばにおかえり
第六十六話 好き嫌いその二十九

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「断言出来るわ」
「嫌い抜くことはですね」
「絶対に駄目よ」
「むしろその人を嫌わないで、ですか」
「プラスに学んでいくことよ」
 このことが大事だと思います。
「何といってもね」
「難しいですね、僕には」
「それもかなりだと思うわ」
 阿波野君の癖性分を思うとです。
「それは否定しないから、私も」
「そうですよね」
「けれどそのままだと誰にとってもよくないから」
 周りの人達にとっても阿波野君自身にとってもです。
「本当に私に出来ることなら何でも言ってね」
「助けてくれるんですね」
「私に出来ることならね」
「先輩いい人ですね」
「いい人っていうか常識でしょ」
 少なくとも私にとってはです。
「人を助けることは」
「そうした時こそ付け込む人もいますから」
「だからそうした人は反面教師にしてね」
「そのうえで嫌わないで、ですね」
「やっていってね、あと阿波野君若しかして」 
 このことはふと思ったことです。
「人見知りとかする?」
「します、初対面の人というか何度もお会いしないと信じない方ですね」
「そうなのね」
「先輩は別ですけれど」
「私は、なのね」
「はい、先輩はです」
「どうして私は別なのかしら」
「何かもう親しみを感じまして」
 それでというのです。
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