第二十四話 二人での楽しみその十二
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「素人がちょっと調べてわかるのに」
「それでもなのね」
「学者さんがわからないって」
「学者さんが調べてでしょ」
「本来はすぐにね」
まさにとだ、愛は咲に話した。
「わかる筈なのに」
「わからなかったの」
「多くの学者さんが強制されていたってね」
それも歴史学者がだ、このことについては疑問を抱かずにいられない者も多いのではないだろうか。
「言ってたけれど」
「素人さんがちょっと調べてわかるのね」
「赤い腕章の憲兵さんいたらしいけれど」
その彼等が車に乗って攫いに来たという話もある。
「赤い腕章の憲兵さんいなかったわよ」
「そうなの」
「日本軍にはね」
「そうだったのね」
「白地に黒い字で憲兵って書かれていたのよ」
日本軍の憲兵の腕章はだ。
「そうだったのよ」
「そうなの」
「だからね」
それでというのだ。
「赤い腕章の憲兵の日本軍なんて」
「いないのね」
「明らかにおかしいから」
「見間違いとかは」
「見間違いの時点でアウトよ」
それならとだ、愛は即刻答えた。
「証言としては」
「そうなの」
「証拠にならないわ」
「憲兵さんだったって」
「赤い腕章の憲兵さんだったら」
それこそというのだ。
「少なくとも日本軍じゃね」
「ないのね」
「それとジープに乗って攫いに来たとか」
こうした話もした。
「ヘリコプターに乗ってとか」
「?自衛隊?」
ジープにヘリコプターと聞いてだ、咲は首を傾げさせた。
「自衛隊にはあるわよね」
「ヘリは一杯あるわね」
「あとジープよりも今はパジェロよ」
「自衛隊の車は」
「そう、けれど昔の日本軍は」
二次大戦中でもそうだった。
「車少なかったのよ」
「日本自体にも少なくて」
「軍隊の車もね」
これもというのだ。
「やっぱりね」
「少なくて」
「ジープなんて便利なものは」
「なかったのね」
「ジープはアメリカ軍のものよ」
自衛隊のジープにしてもアメリカ軍のものだった。
「そうなのよ」
「それじゃあ」
「これもおかしいから」
「ジープやヘリコプターで攫われたって」
「ヘリコプター戦争中もなかったわよ」
第二次世界大戦中はだ。
「それも確かだし」
「ヘリで攫われたとかも」
「それもね」
「おかしいのね」
「そうよ、それ以前に言う度に出身地や生年月日や慰安婦になった経緯が違う人の証言あてに出来る?」
「無理ね」
咲も言った。
「それじゃあ」
「でしょ?色々考えてね」
「慰安婦はなの」
「あっても今で言う風俗嬢よ」
それになるというのだ。
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