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その翌週、土曜日の夕方、昇二から「今、新幹線の中だ 夜、ナカミチに一緒に行ってくれ」と、急に言ってきた。
待ち合わせて、ナカミチに入って行くと、明璃ちゃんが「いらっしゃ・・・」と、固まってしまった。美鈴が
「あらっ 昇二 どうしたのー 突然 びっくりしたわ」
「うん 急に ここのハンバーグが恋しくなってな 遅いけど、まだ、出来るかなー」と、昇二が答えながら、カウンターに座った。
美鈴は、奥に聞きに行ったみたいだった。明璃ちゃんはお水を運んできたが、昇二のは底に少ししか入っていなかったのだ。その時、昇二は明璃ちゃんの方を見て、チュツとしていた。
カウンターの中から、美鈴が
「ご飯もパンも無くなったのよ ハンバーグとクリームコロッケは大丈夫だって 蒼もそれでいい?」
僕達は、それでOKと返事したが、その間、明璃ちゃんは、下を向いたまま黙ったきりだった。舞依ちゃんは、もう、あがったみたいだった。奥から出てきた美鈴に
「店長 明璃はかわいそうな女の子なんです 彼氏と思っている人に突然、いなくなったり、現れたりするんです」と、泣く振りをしていたが
「その子に会いたくて、会いたくて仕方なくて、急にでも帰って来るような彼氏がいる幸せな女の子もここに居る」と、昇二がポツンと言った。その途端、明璃ちやんは
「このバカ昇二 いつも、突然で・・ 本当は、嬉しくって、飛びつきたかったんだからぁー」と、昇二の背中を叩いてきていた。
「ほったらかしにしておくと、突拍子もないことやるからな このバカ明璃は」と、昇二もやり返していた。
「明璃ちゃん 普段なら、もうあがっているのにね 何かが知らせたのかな 食べ終わったら、二人で帰りなさい それと、明日は、夜に入ってもらえば、良いからね 楽しんでね」と、明璃ちゃんの背中をさすりながら、美鈴が言っていた。
「蒼 すまんな 連絡もらって・・いろいろ話たいこともあったけど」
「かまわん 今度な 明璃ちゃんが、飛び出さんように掴まえといてくれ 可愛いじゃぁ無いか」
明璃ちゃんは、昇二にくっつく様に出て行った。
「明璃ちやん見ていると、羨ましいわね 若くて 私、年とっていくばっかりで・・」
「なに言い出すんだよ 美鈴は、まだ、若いよ 色気もでて来たし 魅力的だよ」
「有難う 蒼 そんな風に言ってくれるの、蒼だけかもよ」
何言ってるんだよ、美鈴目当てに来る人、多いじゃぁないか、疲れてきているのかなぁー
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