第六百三十三話 幸い来なかったその六
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「戦争なんてね」
「しないさ」
「普通はね」
「戦争なんて儲かるどころかな」
「あれだけ何もかも壊すものないよ」
「これまで大金注ぎ込んできたものをな」
そうして整えたものをというのだ。
「一瞬でだぞ」
「瓦礫の山にするね」
「サハラなんてそうだろ」
この国の戦争でどうなってきたかというのだ。
「街はぶっ壊れてな」
「沢山の人が死んでね」
「泣きながら難民になるんだぞ」
「子供も大勢死んで餓えてね」
「そうなるのが戦争なんだ」
「いいことは何もないね」
「命も大金かけて造ったものも壊れて」
「しかも儲からない」
「いいことなんてな」
それこそというのだ。
「全くだよ」
「ないね」
「今言った通り兵器だってな」
これもというのだ。
「碌にな」
「儲からないしね」
「軍需産業やってる企業も」
その彼等もというのだ、連合にも軍隊がありその為軍で使用される兵器が存在することは言うまでもない。
「他の分野でな」
「儲けてるね」
「実際そうした企業にしてもな」
「他の分野の方が儲かるね」
「それこそ歯磨き粉や歯ブラシの方がな」
「誰でも使うしね」
こうしたものはとだ、マルコも言った。
「しかも安定して売れるし」
「技術や設備へのお金だってな」
「そんなにかからないね」
「兵器みたいにな」
「じゃあどっちが儲かるか」
「言うまでもないな」
「そうだしね、それに」
今度はマルコから言った。
「多少赤字でもプロ野球とかプロサッカーのチーム持ったら」
「宣伝になるからな」
「毎日テレビや新聞やネットで注目されてね」
「企業の名前出るからな」
「多少経営が赤字でも」
「それで例え弱くてもな」
「最高の宣伝になるね」
こうマチアに話した。
「スポーツの方が」
「本当に軍需産業なんてな」
「儲からないね」
「それで誰が戦争なんてしたがるんだ」
「軍需産業は儲からなくて」
「平和であった方がいい産業の方が儲かるならな」
それならとだ、マチアは言った。
「やっぱりな」
「皆平和を望むね」
「企業や財閥が戦争したがるとかな」
「資本家だよね」
「そんなの間違いだからな」
事実ではないというのだ。
「あれだろ、共産主義だ」
「あのカルトの理屈だね」
連合では共産主義はカルト思想の一つとされている、もう信じる者はいないが全否定される存在とされているのだ。
「それって」
「実際はな」
「違うからね」
「戦争して商売が出来る」
「ものは壊れるし戦場には近付けないし」
「物騒だからな」
それでというのだ。
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