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八条学園騒動記
第六百三十三話 幸い来なかったその一

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               幸い来なかった
 遂に喫茶店の営業時間が終わった、ここでマチアは笑顔になってそのうえでマルコに対して話した。
「よかったな」
「無事に終わったね」
「最後の最後に来るとかな」
「思ったけれどね」
「変な客は来なかった」
「有り難いことにね」
「本当によかった」
 こう言うのだった。
「それでな」
「全くだよ」
 マルコは笑顔で頷いた。
「そうでな」
「若しもね」
「ああ、変な客が来たらな」
「ドキュンがね」
「その時はな」
 まさにというのだ。
「こんな時にこそな」
「来るものだね」
「世の中そんなものだ、もうすぐだと思えば」
「その時にね」
「何かが起こる」
 それが世の中だというのだ。
「だからな」
「それがなくて」
「よかった」
 こう言った。
「本当にな」
「それはそうだね」
「何もないことがな」 
 まさにというのだ。
「最善だ」
「それはそうだよね」
「いいことがあることは嬉しいが」  
「それでもね」
「まずはだ」
 何といってもというのだ。
「何もない」
「悪いことがね」
「このことがだ」
「第一だね」
「最善だな」
「本当にそうだね」
 マルコもその通りだと頷いた。
「それは」
「そうだな、本当にな」
「退屈っていうけれど」
「その退屈なのがな」
「最善だと思う、俺は」
「平和なのがね」
「平和がだ」 
 まさにこれがというのだ。
「幸せの基本だ」
「若しそれがないと」
「戦争ばかりだとな」
「この前までのサハラみたいにね」
 今この国はオムダーマンとティムールが交戦中だ、だがかつてはそれこそ全土で戦争が絶えなかったのだ。
「戦争があちこちで起こっていて」
「そんなのだとな」
「もうね」
 それこそというのだ。
「幸せじゃないし」
「大変だな」
「退屈じゃないけれど」
「とてもだ」
 マチアはそれこそと言った。
「こんなことは言えない
「もっと言えば文化祭どころじゃないね」
「大砲やビームが近くを撃ってな」
 そうしてというのだ。
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