第三百三十六話 初詣をしてその十二
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「このことは凄いことだよ」
「戦後のことね」
「戦後日本が豊かになって」
そうしてだ。
「技術も飛躍的に進歩して」
「医学もそうなって」
「それでね」
「狂犬病もなくなったのね」
「今はね。けれど昔はね」
「違っていて」
「おトイレだって違うし」
こちらもだ。
「今は水洗が殆どでも」
「昔はそうよね」
「汲み取りだったね」
「そうだったわね」
「それでも衛生的には中世の欧州より遥かにましだったけれど」
汲み取りにして肥料に使っていてだ、野菜のそれにしていて野菜に寄生虫が多くいたとしてもそれでもだ。
「まだね」
「あそこは道の端に捨てていたわね」
「そうした処理がなかったから」
汲み取りのそれがだ。
「だからね」
「道の端に捨てていて」
「他にもゴミを捨てていて」
そうしていてだ。
「もうね」
「物凄く不衛生で」
「それでそこに鼠が走り回っていて」
「ペストも流行ったわね」
「そうだったんだ」
実際にだ。
「そのことを思うと」
「日本はまだ衛生的だったわね」
「汲み取りでもね」
水洗と比べると確かに不衛生だけれどだ。
「清潔だったよ」
「そうよね」
「けれど戦後とは違うから」
戦前の日本はだ。
「衛生的にね」
「石鹸もよね」
「今みたいに普及していないよ」
こちらにしてもだ。
「戦前はね」
「じゃあ余計に衛生的に落ちるわね」
「だからお酒も」
「かなり沸騰させて飲んでいたのね」
「こんなものじゃなくてね」
普通の熱燗でなくてだ。
「泉燗って言われる位に」
「泉鏡花さんがそうして飲んでいたから」
「そう言われていたんだ」
「もうそこまでだったのね」
「そうだったんだ」
これがだ。
「当時でもかなり独特だったけれど」
「気をつけて飲んでいたのね」
「夏でもだったみたいだから」
冬だけでなくだ。
「本当に徹底していたんだ」
「それお豆腐もだったのね」
「うん、そうみたいだよ」
夏に冷奴はかなり美味しいけれどだ、ちなみに僕は冬でも冷奴が好きだ。それだけで最高のお酒のおつまみだ。
「何でも絶対に徹底的に熱していたから」
「熱消毒をしていたのね」
「注意してね」
「凄いことね」
「義理の弟さんが泊まりに来て使ったお布団も消毒して」
この人にはこうした逸話もある。
「義理の弟さん激怒したらしいよ」
「自分はそんなに不潔かって」
「そうみたいだよ、まあ森鴎外もね」
ふとこの人も思い出した。
「湯舟には入らなかったし」
「この人も潔癖症?」
「ドイツで細菌学を学んだから」
教科書にも出て来るコッホにだ、そこで優秀さを見せたらしい。
「それでね」
「ああ、湯舟に細菌が一杯いて」
「物凄
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ