うまい! うまい! うまい!
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屋に案内した。
「どうして私の部屋じゃダメなの?」
「今の可奈美ちゃんの部屋を人様に見せたくないからだよ!」
さっきから叫んでばっかりになっている気がする。
ハルトはそう思いながら、自らの部屋のドアを開けた。
「何? 可奈美、相変わらず片付けできないの?」
クスクスと笑う美炎。
かあっと顔を真っ赤にした可奈美は、
「ち、違うよ! 何度も片付けやってるよ! ただ……その、片付けている内に剣術の動画を見たくなって……」
「その部分が剣術じゃなくて恋愛漫画とかだったら普通の可愛い女の子っぽいんだけどなあ」
「ちょっと!」
可奈美がハルトに掴みかかる。腕を強く振られながらも、ハルトは左手で電気を付けた。
「あっはは! そうだよね! 可奈美の剣術大好きは、本当にすごいもんね!」
「ああ、ようやく理解者が現れた……!」
美炎が同意してくれたので、ハルトは感激を覚える。
これまでハルトが可奈美の部屋のことを語っても、誰も信じてくれなかった。可奈美自身が誰も中に入れたがらないのもあって、ココアやチノもその惨状を知ることもなかった。
「本当、可奈美ちゃんの片付けのできなさはビックリするよ……あ、適当にくつろいで」
「まあ、そんなに広くないけどね」と、ハルトは自虐気味に言った。
もともとラビットハウスに備え付けられている机と、その向かいに置いてあるベッド。その足元に少しずつ置いてある大道芸の道具と、旅をしていた時のリュックに詰め込んだ着替えだけが、数少ない私物だった。
「あの……松菜さんが衛藤さんの部屋の内情を知っていることに誰も疑問を持たないんですか?」
部屋の入口で、清香が尋ねた。
だが、ハルトはけろっとした表情で答えた。
「だって、しょっちゅうハルトさんには片付け手伝ってもらってるし」
「この前完全に綺麗にしたのに、数日で元通りなのには参ったよ」
ハルトは頭をかきながら言った。
「うむ! 仲良きことは良きことかな!」
いつの間にか部屋の中へ先回りしていたセイバーが、窓際で宣言する。
一方、部屋の入り口で清香が俯きながら顔を赤くしているが、構わずハルトは続ける。
「さて……そもそもお店じゃ話せないのは、ココアちゃんやチノちゃんを巻き込めないから。でも、美炎ちゃんには絶対に聞かせなくちゃいけないこと。清香ちゃんとコヒメちゃんは……部外者だけど、まあ刀使だから、何とかなるかもしれないけど」
「え?」
清香が目を白黒させた。
「もしかして、これ聞いたら危ないことなんじゃないですか?」
「あー……まあ、そうかな?」
「嫌です嫌です!」
清香がコヒメに抱き着きながら訴える。
だが、狭いラビットハウスの部屋で
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