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歪んだ世界の中で
第十八話 クリスマスの光その二
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「おばちゃん達に連絡しておくよ。今日は千春ちゃんのお家で食べるって」
「そうしてだよね」
「うん、千春ちゃんのお家に行くよ」
「じゃあ待ってるよ」
「そういえば本当に最近」
「千春のお家では遊んでなかったからね」
「だから遊ぼう」
 千春の家でだと。希望も頷いた。
「そうしようね」
「うん、じゃあ今日はプールから千春のお家だよ」
「おばちゃん達にも連絡しておくよ」
「携帯で?」
「うん、二人共持ってるから」
 言いながらだ。希望もその携帯を出してきた。その色は白だ。白い携帯に淡い青のストラップが付いている。千春が彼にプレゼントしたものも一緒だ。
 その携帯でメールを打ってだ。すぐに返って来た返信を見て言ったのだった。
「わかったって言ってくれたよ」
「二人共?」
「うん、おばちゃんもぽぽちゃんもね。ただね」
 それでもだとだ。ここで言う希望だった。
「今日は御飯を食べたら」
「お家に帰るの?」
「そうするよ」
「泊まっていってもいいよ」
 誘いだった。千春からの。
「お部屋は一杯あるから。服も」
「いや、明日のデートの準備があるから」
 だからだとだ。希望は笑顔で千春に返したのだった。
「だから今日はね。悪いけれど」
「御飯を食べたらそれで」
「お家に帰るよ」
「そうするの」
「また明日会えるから。明日また一緒にいよう」
「そうだね。じゃあね」
「今からね」
 笑顔でだ。二人は一緒にデートに出た。まずは二人でいつも通りプールで泳いだ。
 それから二人で千春の家に向かった。今回もだった。
 プールを出ると一瞬で千春の家の前に来た。その見事な洋館の玄関を見ながらだ。希望は首を捻りながら千春にこんなことを言ったのだった。
「本当に。このお家に来るのって」
「すぐっていうのね」
「何でかな。かなり遠い場所なのに」
「けれど歩いたよ」
「歩いたのかな」
「うん、動いてここまで来たんだよ」
「けれどあまり歩いた記憶はないし」
 希望は首を捻りながら千春に言った。いつもここに来るまでの記憶は曖昧だった。
「それにね」
「それに?」
「ここに来るまでいつも時間はかからないけれど」
「だって。急いで来てるから」
「それでなんだ」
「そうだよ。別におかしなことじゃないよ」
 希望にこう言ってからだ。そのうえでだった。
 千春は希望にだ。こんなことを言ったのだった。
「動いた距離は同じでも足は速くなったからね」
「だからすぐに。いつもここに来るんだ」
「そうだよ。そうなんだよ」
「そうなんだ」
「そうだよ。じゃあ中に入ろう」
「うん。それじゃあ」

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