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歪んだ世界の中で
第十八話 クリスマスの光その一
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                  第十八話  クリスマスの光
 遂に冬休みになろうとしていた。二学期の終業式が終わったのだ。
 その終業式があった体育館を出てからだ。希望は隣にいる千春に言った。
 まだ体育館を出たところだ。そこで身体を背伸びさせて息を出してから彼は千春にこう言ったのだった。
「やっと終わったね」
「そうだね。じゃあ明日から」
「冬休みだよ。それにね」
「クリスマスだよね」
「明日だよ」
 今日は十二月二十三日だ。そしてだった。
 その次の日にだ。二人でだというのだ。
「二人で行こう」
「イルミネーションのところに」
「そう。ただね」
「ただ?」
「その日は友井君達は一緒じゃないから」
「確か写真部の部活だよね」
「うん、それに行くから」 
 だからいないとだ。希望は千春に話した。
「今回は二人だよ」
「新年だよね」
「そう。お正月は四人で行くけれど」
「クリスマスは二人なのね」
「友井君達は新大阪で新幹線を撮りに行くよ」
「あの凄く速い電車よね」
「そう、あの電車だよ」
 希望は微笑んでこのことも千春に話した。
「あれを撮りに行くんだ」
「希望は行かないのね」
「僕は部活には入っててもね」
 それでもだとだ。希望は微笑んで千春にこのことも話した。
「それでも。放課後は千春ちゃんと一緒だから」
「だからなのね」
「そう。クリスマスもね」
 千春と一緒だというのだ。二人でだ。
 そうした話をして二人で一旦教室に戻った。後は二学期最後のホームルームだけだ。そしてそのホームルームも終わり希望は千春と一緒に教室を出た。
 その彼がだ。また千春に言った。
「今日はどうしようか」
「今日?」
「そう、明日はイルミネーションに行くけれど」
 二十三日、この日はだというのだ。
「どうしようか」
「そうだね。それじゃあね」
 千春は希望の言葉を受けてだ。少し考えてからこう答えた。
「いつも通り?」
「プールに行くの?」
「うん、プールに行こう」
 こう提案するのだった。
「あそこにね」
「いつも通りそこで泳いで」
「そう、楽しく泳ごう」
 にこりとしてだ。希望に提案したのである。
「そうしたらどうかな」
「そうだね。けれど今日はね」
 時間的だった。プールで泳いでもまだ余裕があった。それでこうも言ったのだ。
「時間があるから。泳いでからも」
「まだ何かできるのね」
「何処に行こうか。それとも」
「千春のお家に来る?」
 千春からの提案だった。今度も。
「そうする?」
「あっ、千春ちゃんのお家に」
「最近希望のお家ば
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