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おぢばにおかえり
第六十六話 好き嫌いその二十七

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「困るわよ」
「僕自身がですね」
「そう、気をつけてね」
「そうですか」
「そうですかじゃないわよ、阿波野君まだ先輩好きじゃないけれど」
 このことはわかります、確かにお互いにじっくりお話して理解し合いましたがそれでもその感情はまだあることがです。
「それでもよ」
「あの人に何かしたらですか」
「絶対に許さないからね」
 このことは強く言いました。
「先輩が傷付く様なことしたら」
「人を平気で傷付けた人には何してもいいでしょ」
「自分が同じことしてどうするのよ」
「それが僕のスタイルって言ったら」
「はったおすわよ」
 自然とこの言葉が出ました。
「阿波野君のその考えは本当に駄目よ」
「嫌いな相手には何をしても何を言っても平気っていう」
「それよ、本当にどうにかならないかしら」
 つくづく思いました。
「図々しくて厚かましいことはともかくとして」
「そのことはいいんですか」
「そのことも問題だけれど」
 それでもです。
「嫌いな相手の嫌がることを徹底的にすることはよ」
「駄目ですか」
「調べ上げてしかもでしょ」
「徹底的に延々してやります」
「そのスタイルよ」
 もうまさにです。
「嫌いな相手にはっていうことがね」
「駄目ですね」
「というかそんな癖性分によくなったわね」
「自然となりました」
「若しかして物凄くいい人に出会えて」
 阿波野君の人生について考えてみました。
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