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イベリス
第二十四話 二人での楽しみその六

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「ああなのよ、もっと言えばお祖父さんの頃からね」
「初代の人?」
「そうなのよ」
「物凄い悪いものを感じるわね」
「そうでしょ、一人だけ肥え太ってるなんてね」
「日本とえらい違いね」
 咲は心から思った。
「というか日本の皇室って」
「質素でしょ」
「それで有名だしね」
「明治帝も昭和帝も質素であられたのよ」
 明治帝は冬でも軍服一枚で暖房は火鉢一つであられた、夏も軍服で通されていたのだ。昭和帝は使えるものは最後まで使われた。
「宮内庁の予算ってあそこの将軍様の贅沢費以下よ」
「日本って世界第三位の経済規模よね」
「北朝鮮は最貧国よ」 
 世界のだ。
「ちなみにその贅沢費が国家予算の二割よ」
「二割って」
「五分の一ね、ちなみに軍事費が二割五分よ」
「四分の一ね」
「この二つで国家予算の半分近くよ」
「よくなる筈がないわね」
 咲もすぐに言えることだった。
「それじゃあ」
「だからよ」
「あの国はああなのね」
「酷いままなのよ」
「そうなのね」
「それで日本の宮内庁の予算よりもね」
 即ち皇室の予算である。
「あそこの将軍様の贅沢費の方が多いの」
「無茶苦茶とんでもないわね」
 咲は食べつつ呆れ返った、フォークを使う手が思わず止まってしまった。
「何それって」
「それで一人だけね」
「美味しいもの食べて」
「肥え太ってるのよ」
「漫画の悪役みたいね」
「そうした悪い国出るでしょ」
「ライトノベルとかでもね」
 咲はこちらのジャンルも話に出した。
「あとゲームでも」
「ないでしょ」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「真似したら駄目よ」
「自分一人だけ美味しいもの食べるとか」
「皆でよ、だからね」
「今もね」
「こうして一緒に食べてるの。カラオケボックスでもね」
 こちらでもというのだ。
「一緒にね」
「飲むのね」
「そして歌うのよ」
 そうするというのだ。
「いいわね」
「それじゃあね」
「何時間も入って」
 カラオケボックスにというのだ。
「一緒に歌いましょう」
「飲みながら」
「カラオケボックスのお酒はアルコール度低くて」
「それで甘いのよね」
「ジュースみたいだけれど」
「お酒はお酒ね」
「弱くてもね、あと何杯も飲むし何時間もいるから」 
 飲む量も時間もというのだ。
「沢山ね」
「飲むのね」
「歌ってるから喉も渇くし」
「それじゃあ」
「カラオケボックスでね」
「沢山飲むことね」
「そうしましょう」
 咲に笑顔で話した。
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