第十七話 冬の入り口その十三
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「何か変わってるね」
「そうですよね。普通lクリスマスっていえば」
「デートか。そうでないと」
「街を撮りに行きますよね」
「何でそれで駅になのかな」
「新幹線を撮ろうという話になりまして」
部活のミーティングでそうなったというのだ。写真部の。
「遠井君は御存知なかったですか」
「御免、僕お昼にしかいないじゃない」
夕方の部活には参加していない。だから知らないことも多かった。希望はそうした意味では写真部の部活にはあまり深く関わってはいなかった。
だからこのことは知らなかったのだ。彼は話を聞いて彼がいない夕方に決まったと考えた。
「ううん、そんな話があったんだ」
「そうなんです」
「けれどクリスマスに」
「有志で」
「で、友井君は新幹線を撮りに行くんだね」
「それとデートにも行きます」
また言う真人だった。
「部活ですがデートでもあります」
「あっ、つまりそれって」
「他の人達と一緒に。彼女とも一緒ですよ」
「いいね、そういうデートもね」
「そうですよね。じゃあ撮影に行って来ます」
笑顔でだ、真人は希望に話した。
「新幹線の。新幹線大好きなんですよ」
「そうだったね。友井君って子供の頃から新幹線好きだよね」
「新幹線は最高の電車ですよ」
こうまでだ。真人は笑顔で希望に話した。
「あの流線型のシルエットも白と青の配色も」
「ただ速いだけじゃなくて」
「はい、だからいいんです」
新幹線への愛着もだ。真人は希望に話していく。
「新幹線は我が国が開発した最高の電車の一つです」
「鉄道模型でもあったかな」
「ありますよ。鉄道模型ですか」
「そっちも好きだったね、確か」
「何時か。お家に」
真人の家、そこにだというのだ。
「新幹線の鉄道模型を造りますよ」
「線路も入れて」
「勿論駅も。そして」
「動ける様にするんだね」
「鉄道はロマンですよ」
満面の笑みでの言葉だった。
「人のロマンですよ」
「日本人って電車好きな人多いね」
「遠井君も嫌いではないですよね」
「僕もね。八条鉄道あるじゃない」
「はい」
日本最大の私鉄だ。JR並に全国に展開している。
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