第三百三十五話 お化け屋敷の次はその十
[8]前話 [2]次話
「処罰するのが惜しい位に面白い人達だから」
「最後反省したし」
「シンデレラも許してね」
「終わったわね」
「ああいうのならいいけれど」
お化け屋敷には使えないけれどだ。
「人間の恐ろしさはね」
「ないわね」
「うん、それでも童話の方は」
「原典だと怖いわね」
「本当に下手に幽霊や妖怪出すよりもね」
「お化け屋敷に使えるわね」
「本物の怖さがあるから」
心にある闇、それがだ。
「いいと思うよ」
「幽霊や妖怪が怖いんじゃない」
「心が怖いんだよ」
まさにそれがだ。
「まさにそれがね」
「猿蟹合戦もそうかもね」
「あれもかなりだね」
言われてみればそうだ。
「猿は蟹を騙して殺してるしね」
「その猿はよってたかって殺されてるし」
「どっちも凄い悪意や憎悪が出ているから」
その為にだ。
「やっぱりね」
「怖いわね」
「そうだね、まんが日本昔話なんて」
アニメのこれだとだ。
「桁が違うよ」
「昔話って童話だから」
「それが多いから」
それでだ。
「トラウマになる様な作品も多いんだ」
「そうだったの」
「世界昔話もそうだったけれどね」
こちらは日本昔話程メジャーじゃないみたいだ。
「もうこのシリーズの怖いお話は」
「かちかち山もあるのよね」
「あるよ、それも怖いし」
「他にもなのね」
「本当に人間のマイナス部分が出た」
憎悪や嫉妬、猜疑や強欲、怨念、そういったものがだ。
「一回見たら忘れられない」
「そんな作品もあるのね」
「中には面白おかしい作品もあるけれど」
そうした作品だけでなくだ。
「怖い作品はね」
「そんな風なのね」
「それで滅茶苦茶怖くて」
「トラウマになって」
「お化け屋敷にも最適だよ」
僕は心から思う。
「だから本物の恐怖を出してね」
「怖がってもらうには」
「童話は一番かもね、怪談もね」
これもだ。
「幽霊や妖怪がただ出るなんてのよりも」
「怨霊とかね」
「それが出るのが怖いから」
だから実は泉鏡花の作品は奇麗でも怖くはない、水木しげるは妖怪をよく知る為の学問になるだろう。
「だからね」
「怪談もそういうこと語ることね」
「怖がってもらう為にはね」
「そういうことね」
「心が一番怖いよ」
その闇がだ。
「それを思うよ、中には生きながら餓鬼になってる人もいるし」
「餓鬼にって」
「いるからね」
あまりにも浅ましく卑しく生きてだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ