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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
人鬼-あいいれない-
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当たりってもんでしょ?」
「…何が言いたいのです?」
頼光の睨みに武蔵は怯まない。
彼女はニィと笑みを浮かべると、振り返り、今度は伊吹童子の方へと向いた。
「簡潔に述べる!この喧嘩、宮本武蔵があずかった!」
「…!」
「へぇ、」
腰に手を当て、仁王立ちの彼女は声を張り上げ伊吹童子にそう言い放つ。
「で?喧嘩を預かったあなたはどうするの?」
「京都を死屍累々の地獄にしたくはない。だから私は、宮本武蔵は京都守護隊を代表し、貴殿に一対一の勝負を申し込む!!」
「!?」
喧嘩を収める方法、それもまたある意味喧嘩だった。
武蔵は殺し合いを防ぎ、鬼の頭領である伊吹童子に決闘を申し込み、それでなんとかしようとしたのだ。
いや、実は人と鬼のいざこざなんて興味が無いのかもしれない。
「そういえば…うずうずしてたな…。」
あの時、伊吹童子と初めて会った時武蔵はそうだった。
戦いたがってた。
そう、戦いたくて仕方がなかったんだ。
喧嘩を預かったのは大義名分。
その実はただ戦いたい。それのみだ。
「セイバー伊吹童子。太古の
竜神
(
カミ
)
よ!貴殿の答えを聞こう!!」
にんまり、と笑う。
嬉しさ…というよりかはそうだ。
暇を持て余していたが、楽しくなりそうなものを見つけた。
そんな感じの、無邪気そうでそしてその分邪悪さも含んだような笑みだった。
「いいじゃない。私もしばらく退屈してたの。久々に骨のありそうな相手だし、お姉さん、決闘してあげよっかな。」
武蔵の決闘の申し込みは了承された。
よって、人と鬼の殺し合いは防がれ、決闘へと持ち込まれることとなる。
「にしてもお姉さんに嬉々として決闘を申し込むなんて余程の強者なのね。それともただの無謀なおバカさん?」
「そこに強者がいる。ならば斬る。それがこの私、宮本武蔵の…剣豪としての生き方だから。」
武蔵によってこの場は鎮まった。
不満げな守護隊もいるが、彼らは渋々武器を下ろしていく。
意義を唱えるものなどいない。そして、
「頼みました。剣豪宮本武蔵」
頼光がそう言ったのだ。
そして俺もまた言ってやらなければならない。
「怖くないのか?」
「怖くないわけないでしょ?でも相手は神様。そんな強いのと戦えるなら嬉しさの方が勝っちゃうじゃない?」
「まったく…お前らしいよ。」
やや呆れながらも、俺は武蔵の手を握り、
「勝て。そして鬼にお前の強さを刻みつけてこい。」
「オッケー、大和くん。」
そう言い、送り出した。
京都を何とかするとか、そういったものではない。
戦いたいから戦う。
彼女が生粋のバトルジャンキーである事を思い出しつつ、俺は武蔵の嬉しげな背中を見つめるのだった。
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