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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
人鬼-あいいれない-
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彼女は持っていた人形と視線を合わせる。

「桜ちゃんもそう思うよね。あいつらは私が桜ちゃんみたいになるのを邪魔したんだよ。許せないよね?ほら、許せないって。」
「この子…イカれてる…!」

人形はそう言ったらしいが、見ての通りただの人形。
動きもしないし言葉も発しない。
武蔵はそれに一種の不気味さを覚えた。
やがて守護隊のひとり…昨晩出会った家族と友人を失った男がそう口を漏らし、ホルスターから拳銃を抜いた。

「もうアンタ達は…俺達の知る道満様では無い!!人の道を外れ、妖へと堕ちた外道だ!!」

京都を混乱に陥れ、滅ぼし、自分達はそれを見て楽しもうとした。
本性を露出した2人に守護隊は一斉に牙を剥く。
道満は武蔵が抑えている。
守護隊達は一斉にマスターの元へと殺到した。
だが、

「待て!」
「やめなさい!!」

嫌な予感がした。
それは頼光も同じだったんだろう。
気がつけば同時に叫ぶも、時すでに遅し。
何せ守護隊は、

「…急急如律令。」

彼女がそう呟いた瞬間、何か鞭のようなものが高速でしなり、守護隊達の体をかすめる。
ヒュンヒュンという音がした次の瞬間、上半身と下半身が切り離されていたからだ。

「あ…が…。」

どさどさと重いものが落ちていく音。即死したものが殆どだがかろうじてまだ生きている守護隊の元へ彼女が歩み寄り、しゃがむ。

「ねぇ、勝てると思った?サーヴァントじゃなくてマスターなら自分達でも殺れるって、思ってた?」

人形を眼前に差し出し、喋るタイミングに合わせて揺らす。
あたかも子供がよくやる、人形が喋っていると見せかけるように。

「でもざーんねん。勝てませんでした。森川 真誉ちゃんは道満も認めるほど陰陽道に天賦の才能があったのです。おしまい。ちゃんちゃん。」

事切れた守護隊にそう言い、立ち上がる。

「帰ろうよ道満。もうここつまんない。」
「ええ、そうですね。既にここで遊び尽くしたようなものですし、拙僧らはこれにて失礼させてもらいましょう。」

しかし、それはここにいる全員が許さない。

「逃がすもんですか!!」

指に挟まれていた刀を抜き、武蔵が道満に斬り掛かる。

「ほう!やはり噂に違わぬ大剣豪。斬ることに迷いがありませぬ。」
「外道に情けは必要なし!躊躇いなんてとうに捨てて犬に食わせた!!」

首めがけ刀を振るうも、道満には当たらない。
ひらりとかわし、2m近くはあろうその図体からは想像しがたい柔軟な動きで武蔵の攻撃をかわしていく。

「何故こうした悪事を働く!!死ぬ前に答えろ!!外道法師ッ!!」
「言ったではありませぬか。拙僧も真誉殿も、このような事が"楽しい"からと。」
「…もういい!!」

楽しい
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