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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第100話:絶対に離さないし、絶対に離れない
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颯人はそっと抱きしめる。
「気にすんな……っつっても奏は聞かないだろうな」
「当たり前だ!? アタシが……アタシが弱かったから、あんな言葉に踊らされて、自分を見失って……。あと一歩でアタシは、自分で颯人を――――!?」
罪悪感で心が壊れそうになっている奏の顔を、颯人は両手で包むようにして上げさせ額を突き合わせた。
「いいか奏? 俺は気にするなとか、そう言う在り来たりな事は言わねぇ。そんなこと言っても無駄だって分かってるからな」
そんな陳腐な慰めで、今の奏を癒す事はできない。それは彼女と付き合いの長い、颯人自身がよく分かっている。
だからこそ、颯人は別の言葉で奏を元気づける事を選択した。
「ただこれだけは覚えておけ。俺は絶対に奏の前からは居なくならねぇ!」
これっきりだ。颯人が原因で奏が泣くのは、これで最後。もう絶対に颯人は奏の前から居なくならないし、奏の手を離すこともしない。正真正銘、自分が奏にとっての希望になると誓った。
「俺は奏が好きだ! ただの好きじゃねえ、愛してる! 誰にも渡さねえし、離れもしねえ! いいか? 何度でも言ってやる。俺は奏を愛してる。だから絶対離れねぇ!」
「は、颯人――!」
「だから、俺を信じろ! どこの誰とも知れねえ言葉に惑わされんな。誰が何と言おうと、俺はもう奏を置いてどこかに行ったりしねぇ!」
迷いなく告げられる颯人の言葉に、奏は罪悪感も何もかもを洗い流された。今彼女の心にあるのは、颯人に対する愛しさと安心感。彼が傍にいてくれるという事実による、胸の温かさを感じていた。
「…………信じて、良いんだよな?」
「当たり前だろ。誰に向かって言ってんだ? 俺は奇跡を起こす男の息子だ。それにな、俺は奏の歌があれば何時でも全開なんだよ。この二つが合わされば、それくらい訳ねぇっての」
自信たっぷりの颯人の言葉に、奏も思わず笑みを浮かべた。まだ目からは涙が流れているが、先程までの陰鬱とした気持ちはどこかへ消え失せていた。
奏の笑みに、颯人も安心して頬を緩めた。
「……ま、それでもまだ奏は心配だろうからな。だから奏が絶対安心できるとっておきの呪いを用意してやるぜ」
「呪い? なんだそれ?」
「それはこの件が終わってからのお楽しみ」
「何だよそれ、気になるだろ!」
「だからだよ。意地でもこの件終わらせて帰ろうって気になるだろ?」
颯人は全てを語らず、思わせぶりな事だけを告げて立ち上がる。もうさっきまでの事はどこへやら、奏もすっかり何時もの調子を取り戻し、好奇心を煽るだけ煽って終わらせた颯人に唇を尖らせた。
「……これ終わったら絶対教えろよ?」
「勿論。約束だ」
立ち上がった颯人は奏に手を差し出して、彼女が立つのを手助けした
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