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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第100話:絶対に離さないし、絶対に離れない
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て一直線に突き進み――――――寸でのところでギリギリ颯人を掠めるように攻撃がそれ、颯人ではなく颯人の背後の地面を抉り取った。
あと一歩で颯人がミンチになるというところで、奏が何とか攻撃の軌道をずらして外したのだ。
「はぁっ!? はぁっ!? はぁっ!?」
あと一歩で自分が颯人を殺すかもしれなかった事実に、奏は疲労とは別物の汗を大量に流す。
最悪の事態を招く寸前だったことで自分を恐れる奏を前に、颯人がゆっくりと目を開けた。
「…………信じてたぜ、奏」
「は、颯人――!?」
「お前は絶対に、俺を殺さない。本気でヤバいって時には、自力で踏みとどまってくれるってな」
自信たっぷりの笑みでそう告げる颯人を前に、奏は力無くアームドギアを手放すと未だ震える手を颯人に伸ばした。
恐る恐る奏は颯人の体に触れる。特にあと一歩で風穴どころか胴体が真っ二つに引き千切れそうだった胸板は念入りに触った。胸から伝わる颯人の体温と、心臓の鼓動が彼の生存を奏に実感させる。
その事実に奏は両目から涙を零し、次の瞬間彼の胸倉を掴んで押し倒した。
「この馬鹿ッ!?」
「うぉっと!?」
何かアクションがあるだろうと思っていた颯人だが、散々奏の攻撃に耐え続けた体は彼のいう事を聞かず奏の勢いに耐える事が出来ずそのまま押し倒された。受け身は取ったので後頭部を地面にぶつける事は避けれたが、奏の体重に押し潰され彼の口から意図せず潰れたカエルの様な声が飛び出る。
「ぐぇっ!? いてて……」
押し倒された衝撃で背中を打ち、痛みに顔を顰める颯人の上で奏は今度は彼の胸倉を掴んで引っ張り上げた。
「馬鹿野郎ッ!? 颯人お前、自分が何したか分かってるのか!?」
「あん?」
「あと一歩で死ぬかもしれなかったんだぞ!? 今度は前の時と違う!? 耐えるとか耐えないとかの問題じゃないんだ!? アタシが攻撃逸らしてなかったら、お前今頃――!?」
止め処なく涙を流しながら颯人の無謀な行動に怒りを露にする奏だったが、対する颯人は何も反論しない。
一頻り颯人の危険な行動に対し、怒りの言葉を吐き出し続けた奏だったがその勢いも次第に衰えていく。
そして危険なことをした颯人への怒りが落ち着いてきたら、今度は彼への罪悪感が前面に出てきた。
「ゴメン……ゴメン、颯人――!? アタシ、何て事……」
颯人に対しては勿論、翼にもとんでもない事をしてしまった。謝って許されるようなものではないことは分かっているし、魔法で洗脳されていたことを言い訳にするつもりもない。
ただただ、颯人達に迷惑をかけてしまったことが奏は申し訳なく、何より自分が情けなくて許せなかった。
颯人の胸に顔を埋め、嗚咽を漏らす奏。そんな彼女を
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