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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第100話:絶対に離さないし、絶対に離れない
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せるのを待つ事だった。
正直、彼自身も辛い。奏の攻撃に耐える事が、ではない。自分が奏の攻撃で傷つくことで、奏が悲鳴を上げる事が、である。
本当なら今すぐにでも奏に攻撃を止めさせたい。変身を解き、素顔を晒して、辛そうに顔を歪める奏を抱きしめて安心させてやりたい。
しかし、それは駄目だ。それでは意味がない。奏を本当に助けたいと思うのなら、今颯人に求められるのは耐える事だった。
何故なら、颯人と同じように奏もまた耐えているのだ。例え魔法により想いを歪められても、根元にある彼女の颯人に向ける愛は変わらない。その愛が、間違った事をしている自分を必死に止めようとしている最中なのだ。それは彼女の叫びや辛そうな顔が物語っていた。
ここが踏ん張りどころである。
「とは言え、ははっ。キッツいなぁ〜」
ボヤキながらも耐え続け、遂には満足に動くこともできなくなってしまった。
立つだけでやっとな様子の颯人を前に、奏はアームドギアの先端を向ける。
「颯人……もう勝負ありだ。降参して、魔法の力を捨ててくれ。例え颯人が魔法使いを辞めたって、アタシはずっと颯人の傍に居るから……」
最後通告を突きつける奏。恐らく颯人が拒否すれば、奏はトドメの一撃を放ってくるだろう。
だからこそ、颯人は首を横に振った。
「悪いな。いくら奏の頼みでもそれだけは絶対に聞く訳にはいかねえや」
「あ、そ…………それじゃあ――!」
体を引き絞り、突撃の体勢を取る奏。もう颯人が限界だと知って、余計な技に頼らぬ純粋な一撃で仕留めようというのだろう。
その様子に颯人が仮面の奥でニヤリと笑みを浮かべた。
「これで、終わらせる。…………愛してるよ、颯人」
その言葉を合図に、一気に突撃する奏。今までで一番の速度を持つその一撃は、確実に今の颯人を瀕死にさせる事が可能だろう。
目前に迫る必殺の一撃。変身していれば辛うじて命だけは助かるだろうそれを前にして――――――
颯人は変身を解いた。
「――――――え?」
傍から見れば視認する事すら困難な一撃の中で、奏は自身の槍の一撃が颯人の胸へと吸い込まれるように突き進む様子をスローモーションで見ていた。
戦闘不能レベルで収まる瀕死に追い込めるのは、颯人が変身していればの話だ。生身でこんな一撃を喰らえば、ミンチになってしまいかねない。
今から攻撃を中断しようにも、既に放たれた矢の如き一撃は止めようがない。この攻撃はそれだけの速度を持っていた。
そして肝心の颯人はと言うと、自身を殺しうる一撃を前に目を瞑り静かに佇んでいた。
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?」
奏の絶叫が響く中、槍は颯人に向かっ
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