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戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第12節「唄えぬ理由はどこにある?」
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ガリィ襲撃翌日の午後。響を除く装者たちは、本部の発令所に集められていた。

純のRN式アキレウスまで破壊された今、残る戦力は響と翔の2人だけ。
だが、昨日の戦いで響がシンフォギアを纏えなかった事が、大きな波紋を呼んでいた。

「了子さん、立花は何故唄えなくなってしまったのですか?」
「そうね。あなた達にも無関係とは言えないから、説明しておくわ」

了子はスクリーンに、昨日の響の映像を映し出す。

唄おうとするも胸に聖詠が浮かばず、咳き込む響の姿に、装者たちは怪訝な表情を浮かべる。

「シンフォギア・システムは、適合者が戦意や願い、祈りといった強い想いの波動をコアとなる聖遺物の欠片に共振・共鳴させる事で、想いの送り主の胸にコマンドワードを反響させる事で起動するの」
「つまり……えーっと……どういう事デス?」
「他者への感情の高まりを起動条件に、胸に起動コードを送るのよ」
「分かりやすく言うなら……愛、だな。他人を想う気持ちがないと、シンフォギアは力を貸してくれないって事だ」
「さっすがツェルトくん!そういう事よ♪」
「なるほど!愛を持たないならず者には、力を貸してくれないって事デスね!」
「……ちょっと寒気がしたわね」

首を傾げていた切歌は、どうやら「愛」の一言で納得したらしい。
マリアは何故か背筋がゾクッとさせていたが、理屈は何となく実感出来るようだ。

「それで、響は今どういう状態なんだ?」
「そうね……今の響ちゃんは、他者に向ける感情が高まるような目的意識が、ごっそり抜けてる状態ね。戦う意思を無くしちゃったのに加えて、シンフォギアを纏うだけの願いや祈り(モチベーション)も見失っちゃってるのよ。つまり、歌う理由を忘れちゃってるみたいね」
「……あたしが、追い詰めちゃったのかな」
「奏……」

ボソッと呟き、俯く奏。
響がシンフォギアを纏えなくなった原因の一端を、自分に感じているようだ。

「先輩風吹かしたばっかりに、後輩を追い込んじゃうなんて、情けないな……」
「そんな事ないよ、奏」

奏が振り向くと、翼は彼女の顔を真っ直ぐに見つめる。

「奏は立花のためを思って言ったんでしょ?自分を責める必要はないと思う」
「けど……」
「遅かれ早かれ、あの子はああなっていたと思うわ。あなたのせいじゃない」
「誰かが言わなかったら、立花はもっと苦しむ事になっていたかもしれない。だから、奏が落ち込む事なんてないよ」

翼に加えて、歳上のマリアからも諭され事で、奏も納得したらしい。

「後で響に謝っとかないとな……」
「その時は、わたしも一緒に行くわ」
「そういえば、響さんは?」
「翔と純も来てないじゃねぇか」
「学校には来てた筈なんですが……」

調とツェルト、セレナが発
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