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Fate/WizarDragonknight
セイバーのサーヴァント
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見当たらない!」

 剣を交わしながらも、セイバーは続ける。

「一体どれほどの鍛錬を積んできたのか! 私もぜひとも知りたいものだ!」
「黙れ」

 冷酷に言い捨てるブライ。
 まだ続く戦いの最中、散った炎の残滓が動き出す。
 美炎が発生させた炎たちは、だんだんと学ランのセイバーへ集っていく。
 そして。

「全集中 炎の呼吸」

 彼が腰を落とし、構えると、炎が彼に集っていく。
 そして。

「壱ノ型 不知火」

 速い。
 銃弾の速度でさえも見切れる可奈美の目が、そんな感想を漏らした。
 炎の軌道を纏った、セイバーの袈裟斬り。
 それは、ブライの体を大きく切り裂き、突き飛ばした。

「なっ……!」

 そのまま、投げられたブライの体は巨大な岩を砕く。
 コヒメがさっきまで触れていた岩。それは、ズタズタにされた注連縄を落としながら、粉々に破壊されていった。

「……ッ!」

 ブライは、自らの体で破壊してしまった岩を見下ろしながら、舌打ちをする。

「まだやるか!?」

 セイバーが、さらに追い打ちをしようかとする構えを見せる。
 ブライはしばらく、自らの体が破壊した石を見下ろし、やがて。

「フン」

 その姿は、虹色の輪郭となって消滅していった。
 しばらくセイバーもまた警戒を見せていたが、やがて彼の気配が完全に消滅したことを理解し、その剣を鞘に収めた。

「うん。うん。なるほど!」

 彼はそう言って、可奈美と美炎、コヒメ、そして清香へ振り向いた。

「それでは改めて問おうか! 私のマスターは誰だ!?」

 大声を伴った彼の問いに、答えるものはいなかった。
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