セイバーのサーヴァント
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面を転がる。
ブライはそれ以上美炎に構うことはなかった。
彼の目はコヒメへシフトされていき、やがて完全に狙いを定めた。
「……! ダメ!」
「ラプラス!」
ブライは右手を上げながら、その名を呼ぶ。
すると、彼の手から離れていたラプラスは、再び剣の姿となり、回転しながらその手に収まる。
「さ、させません……!」
その前に再び立ちはだかる清香。だが、清香がまた刀を出すと同時に、ブライは簡単に彼女を切り払う。
ラプラスの無数の斬撃を秘めたその一撃は、清香を神社の事務所に叩きつけ、彼女はそれ以上動かなくなった。
さらに、ブライは清香へ近づいていく。
「きよか……みほの……!」
コヒメが、迫り来るブライに対して悲鳴を上げた。
「コヒメ……! 逃げて!」
だが、美炎の懇願とは真逆に、コヒメは腰が抜けている。動けそうにない彼女は、とても逃げきれない。
「お願い! 誰でもいいから! コヒメを……助けて!」
だが、美炎の声に応える者はいない。
無情にも、ブライの手は、コヒメの頭に向けて滑っていき___
「何でもする! わたしの全部を上げるから! だから! お願い!」
その時。
美炎の手に浮かび上がる不気味な紋章。その輝きは、彼女のフィンガレスグローブを貫通し、可奈美の目線を釘付けにした。
それを見た途端、可奈美の顔から血の気が引いた。
さらに、紋章のうち一部___おおよそ三分の一が消滅。
「誰でもいいから! コヒメを助けてよ!」
そして続く、美炎の叫び。
すると、美炎を中心に、紅蓮の炎が広がっていった。
それは可奈美、ブライ、そして清香とコヒメをも巻き込んでいく。
そして、その炎の中。
誰かもわからぬ気配が、可奈美の脇を通り過ぎていった。
「何?」
その声は、ブライのもの。
炎が巻き上がる中、可奈美は確かに、ブライの剣が受け止められる音を聞いた。
「よもや、よもやだ」
その声は、誰のものかは分からない。
だが、その男性の声の主は、ブライの剣をしっかりと防ぎ、コヒメを救っている。
ラプラスソードを防いだのは、黒い剣。
「死んだ後にこの状況。全く、何時の世も争いは絶えないのか! こんなときに斃れていたとは、穴があったら入りたい!」
「キサマ……ッ!」
ブライは舌打ちし、横薙ぎでその男へ斬りかかる。
ラプラスソードの斬撃に対し、男はそれを防ぐ。
「うむ! その太刀筋やよし! 中々に高名な剣士とお見受けする! だが、」
男は、強く剣を振るう。
ラプラスソードでの防御だけでは足りず、ブライは大きく突き飛ばされてしまう。
そのまま、男は剣を持ち替えて地面に突
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