セイバーのサーヴァント
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ーの剣は、深々と社の奥に突き刺さる。
「フン」
手元を離れたラプラスソードを眺め、ブライは鼻を鳴らす。
だが、たとえ剣がないとしても、ブライが強敵であることに変わりはない。
「はあっ!」
ブライの、紫に燃える手から発射される無数の拳。
美炎はジャンプでそれらを受け流し、さらに接近、加州清光を振るった。
「だあっ!」
だが、ブライはそれを腕でガード。さらに、美炎の腹を蹴り、その頭上で回転。
「っ!」
痛みに堪える美炎へ次に襲い来るのは、ブライの無数の格闘技。現代には彼のほかに継承者がいない武術は、即座に美炎の加州清光を弾き飛ばし、隠世の上空へ放り投げていった。
「清光が……!」
得物を失ったことで、強制的に美炎の体の写シが解除される。
だが、生身になった美炎へ情けをかけるほど、ムーの誇りはお人よしではない。
「消えろ」
冷酷にも告げたブライが、そのまま美炎へ拳の攻撃を放っていく。
すぐに耐えられなくなったその格闘技に、どんどん美炎は追い詰められていく。
やがて、ダメージが重なっていく美炎。紫の拳が撃ち込まれ……
「美炎ちゃん!」
「ほのちゃん!」
「みほの!」
三人の悲鳴が続く。
だが。
「……キサマ……まさか……」
殴ったままの体勢のブライから漏れたのは、驚きの言葉。
紫の拳。当然、人体が受ければ紙のように破れてしまう。
だからこそ、受け止める美炎に驚きが隠せなかった。両手を使い、ブライの威力が高いであろう拳を止めるその姿に。
そして、その眼差しが赤く染まっていく。
「はあああああああああああッ!」
その全身が、赤く滾っていく。
「……キサマッ!」
「刀使はね……剣術だけとは限らないよ!」
美炎がそう宣言すると同時に、その動きが、人間業ではなくなる。
荒々しい動作とともに、古今東西あらゆる格闘技を取り入れた動き。だが、その速度は生身の人間の速度ではない。迅位にさえも引けを取らない動きに、可奈美は思わず息を止めた。
その動きは、ブライが使うムーの武術にも引けを取らない。
カポエイラを基盤とした回転蹴りでブライを牽制。さらに、システマを基にした短い息の連撃。そのほかの攻撃が、だんだんとブライとの状況拮抗を有利にしていく。
「そこだッ!」
だが、やはり技量はブライの方が上だった。
やがて、赤い熱を放つ美炎の動きを見切ったブライは、彼女の動きをだんだんと制していく。さらに、隙を見つけたブライの拳が、美炎の腹を穿った。
痛みとともに、美炎の動きが鈍る。さらに、蹴り、拳が次々に美炎の体を打ち付けていく。
「ぐあっ……!」
美炎は悲鳴とともに地
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