第二章
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「実際にそうなのか見てみるか」
「誰もいないのかどうか」
「そうな」
「そうか、じゃあ今夜にでも行ってみるか」
「そうするか」
二人でこう話した、そしてこの夜実際にだった。
二人で夜に本所に行った、寒いので二人共どてらを着て下にも穿いていた。そうして厚着をしつつだった。
本所の中を歩いてそうした屋台を探した、すると暫く歩き。
行燈にそう書いてある屋台を見付けた、丹次が最初に見付けて言った。
「あれだな」
「ああ、そうだな」
大雷もその屋台を見て応えた。
「はっきりそう書いてあるな」
「じゃあものは試しでな」
「入ってみるか」
「そうするか」
二人でこう話してだった。
実際に屋台の中に入った、場所は三人座れる位だったが力士の大雷がいるので二人だった。その二人でだった。
店の席に座るとだった、やはり店の主のところには。
「誰もいないな」
「そうだな」
「灯りは点いてるのにな」
「それでもな」
「誰もいない」
「話の通りだな」
言われているその通りだというのだ。
「本当にな」
「そうだな」
「じゃあ灯りは消さないでおくか」
「多々はっ御免だからな」
二人で話した、それでだった。
これからどうしようかとだ、丹次は座ったまま考えたが大雷が言ってきた。
「どうせだ、食うか」
「蕎麦なりうどんなりをか」
「折角店に来たんだ、それにだ」
大雷はさらに言った。
「腹が減っただろ」
「そうだな、しかもつゆの匂いもしてな」
このこともあってとだ、丹次も述べた。
「それでな」
「食いたくなってきたな」
「ああ、じゃあ誰もいないが注文してみるか」
「それで来なかったら帰る」
「火は消さないでな」
「そうするか」
こう話してだった、火事になるかも知れないと思ったが考えてみればそれはこの屋台にいる何かと思ってだった。
それでだ、二人でそれぞれ注文した。
「二八の蕎麦くれ」
「うどんくれ」
注文するとすぐにだった。
それぞれ蕎麦もうどんも来た、急に二人の前にどんと出て来た。丹次はそれを見て大雷に話した。
「おい、出たぞ」
「そうだな」
大雷も応えた。
「うどんがな」
「蕎麦がな」
「これは美味そうだ」
「つゆの香りもよいのう」
「それではな」
「今から食おう」
こう話して実際にだった。
二人は丼と一緒に出された箸を手に取ってそれぞれ蕎麦とうどんを食べはじめた、そして食べるとすぐにだった。
「これは美味いな」
「そうだな」
「コシはしっかりしていてな」
「風味もいい」
「そしてつゆの味もよい」
「これは美味いぞ」
「どんどん食えるな」
「おかわりをしよう」
二人で食べつつ話してだった。
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