第二章
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「流石にな」
「それもそうか」
「ああ、それでお前勝負受けるんだよな」
「受けないならこの本読んでるか」
その潮騒を見つつ井口に答えた。
「流石にな」
「それもそうだな」
「凄い文章奇麗だな」
今度は三島のそれの話もした。
「こんな奇麗な文章はじめて読んだぞ」
「三島由紀夫の文章はそれで有名だしな」
「凄いな、それで読みながらな」
「それでか」
「ああ、勝負してな」
「勝ってか」
「交際しようと思ってるんだよ」
こう井口に話した。
「真剣にな」
「そうだな、けれどな」
「ああ、あの娘はな」
その告白したら勝負してそれに勝ったら付き合うと言ってきた相手のことも話した。
「水泳部でな」
「うちの高校の水泳部のエースだぞ」
「二年の中じゃな」
「対するお前はバスケ部だしな」
「お門違いだな、勝負してな」
そうしてもとだ、吉永は言った。
「果たして勝てるか」
「無理だな」
井口の返事はあっさりしたものだった。
「お門違いもいいところだしな」
「そうだよな、けれどな」
「どうしてもだな」
「ああ、好きになったからな」
だからだとだ、吉永は意を決した顔で言った。
「それで告白までしたしな」
「それじゃあだよな」
「勝負も受けるって言ったし」
「勝ちたいな」
「絶対にな」
「それじゃあもう一つしかないだろ」
やるべきことはとだ、井口は吉永に言った。
「勝負に向けてな」
「練習か」
「水泳のな」
それのというのだ。
「相手が水泳で勝負って言ったからな」
「そうだよな、じゃあな」
「これからはか」
「部活もあるけれどな」
バスケ部のそれもとだ、吉永は言った。
「ここはな」
「水泳もだな」
「やるか、部活の朝練前と夕方の練習後にな」
「泳ぐんだな」
「そうするか」
こう言うのだった。
「ここは」
「勝負は何時だった?」
「一ヶ月先だよ」
「じゃあそれに向けてな」
「練習か」
「そうしろ、幸い海はすぐそこだろ」
「学校からな」
「だったらな、ただ夜は海では泳ぐな」
井口はそれは止めた。
「危ないからな」
「鮫とか出るからか」
「鮫は昼より夜に動きがいいんだ」
基本夜行性だ、常に泳いでいる種類の魚であるが夜の方が動きが活発になるのだ。
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