第一章
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先輩の為にやっていく
斉藤ひかるは生真面目な性格である。色白でふっくらとした頬で優しい感じの目をしていて細長い奇麗なカーブを描いた眉をしている。口元は赤く微笑みの形になっている。長い黒髪からは耳が見えていて背は一四六位である。
そのひかるには交際相手がいる、同じ高校で一つ上の諸星海斗である。
きりっとした顔であるが優しい切れ長の目を持っており黒髪をショートヘアにして前を左から右に流している。背は一七四位ですらりとしている。成績優秀で学校の制服であるフックで前を止める濃い紫の制服がよく似合っている。
その海斗にだ、ひかるは心から惚れ込んでいてだった。
あれこれと話を聞いて彼のリクエストに応えてよく気がついた、それで海斗もそんなひかるを有り難く思っていて。
二人の仲はよかった、その中でひかるは海斗に尋ねた。
「あの、今度ですが」
「ああ、日曜のデートだね」
「先輩はお昼何を食べたいですか?」
こう海斗に尋ねた。
「一体」
「サンドイッチかな」
海斗は微笑んで答えた。
「飲みものは林檎のジュースでね」
「サンドイッチと林檎のジュースですか」
「うん、その二つを買って」
海斗はコンビニを想定しつつ言った。
「そうしてね」
「じゃあ私が作ります」
ひかるはすぐに申し出た。
「そうします」
「斉藤さんが?」
「はい、そうしますね」
「いや、流石に悪いよ」
海斗はひかるの今の申し出には遠慮する顔で答えた。
「いつもお昼作ってもらってるし」
「いつもだからですよ」
「デートの時もなんだ」
「はい、遊園地に行って」
そしてというのだ。
「そこで、ですけれど」
「サンドイッチをなんだ」
「私が作って」
「林檎ジュースもなんだ」
「そうして持って来ますから」
それでというのだ。
「一緒に食べましょう」
「いつも悪いね」
「私はそれがいいんです」
ひかるは海斗に笑顔で応えた。
「ですから」
「遊園地でもなんだ」
「お弁当作ってきます」
「そうしてだね」
「一緒に食べましょう」
濃い緑のブレザーとえんじ色のスカートの制服姿で言った、緑のリボンと白のブラウスも可愛い感じである。
それでデートの前日ひかるはサンドイッチを作りはじめたが。
彼女とそっくりの外見の母のまどかが夜に台所に立つ娘に後ろから言った。
「あんたサンドイッチははじめてでしょ」
「ええ、他のお料理は作っても」
これは小学校の時からである。
「それでもね」
「そうよね」
「けれどね」
「作るのね」
「先輩が食べたいって言うから」
だからだというのだ。
「作るわ」
「はじめてでもなのね」
「そうするわ、ジュースもね」
林檎のそれもと
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