第三章
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「経理学校じゃ」
「海軍の経理学校ですか」
「そんな学校あったんですか」
「そうですか」
「そうじゃ、海軍経理学校も兵学校と同じく東大よりもさらに難しくな」
その入学試験に合格することはというのだ。
「最難関校の一つだった」
「そうだったんですか」
「今の防衛大学よりもですか」
「あそこも結構以上にレベル高いですが」
「防大も東大程ではなかろう、入学してからが大変だが」
それでも入学試験はというのだ。
「まだな」
「そうですか」
「それで、ですか」
「播磨教授は東大じゃなくてですか」
「東大以上に難しい学校出ていたんですか」
「それが海軍経理学校だったんですか」
「海軍には兵学校と機関学校、経理学校の三つの学校があってな」
博士は湯治の海軍の学校の話もした。
「それぞれ士官を育成しておった」
「それじゃあ播磨教授って」
「元海軍士官ですか」
「そうだったんですか」
「うむ、海軍の軍服も着ておった」
海軍士官のそれをというのだ。
「経理士官としてな、しかも首席だった」
「東大入るのより難しいとこの首席ですか」
「それ滅茶苦茶凄いですね」
「だから東大の入試問題も何なく解けるんですか」
「そうなんですね」
「元々学力があってな」
そしてというのだ。
「ずっと学んでおるということじゃな」
「そうですか」
「東大なんて平気な学力だったんですね」
「昔からそうだったんですね」
「あの人は」
「そうじゃ、昔は海軍の学校の次に陸軍の学校でな」
学力のレベルはというのだ。
「そしてじゃ」
「東大とか京大ですか」
「帝大ですか」
「そうなっていたんですね」
「そこの首席じゃ、首席で卒業すればな」
海軍の学校のそれをというのだ。
「そのままいけば中将までは確実であったろうな」
「げっ、閣下」
「閣下って言われる立場ですか」
「そこまでなんですか」
「左様、彼は品行方正で仕事も出来たからな」
成績がいいだけでなくというのだ。
「必ずな」
「そのまま海軍があったら」
「日本が戦争に負けていなかったら」
「それならですか」
「閣下だったんですね」
「中将閣下ですか」
「そうなっていましたか」
学生達も驚いて言った。
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