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成績優秀で
第二章

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「間違ってもな」
「えっ、そうなんですか?」
「帝大じゃないんですか」
「あんなに頭いいのに」
「違うんですか」
「じゃあ他の国立か公立ですか?」
 それならとだ、学生達はこう考えた。
「戦前だと師範学校か?」
「筑波大学って昔東京師範学校だったんだよな」
「柔道の加納治五郎さんが学長でな」
「あそこか?」
「まさか普通の公立じゃないな」
「私立はないだろ」
「私立は戦前は帝大には及ばなかったらしいぞ」
 学生達は正直わかりかねた。
「じゃあ何処なんだ」
「帝大じゃないってなると」
「東大でも京大でもないしな」
「どっちかって思ったら違うとか」
「何処なんだ」
「彼は国立だが帝大以上のとこを出た」
 博士はわからなくなってきた学生達に笑って話した。
「これでわかるか」
「いや、ちょっと」
「それ余計にわからなくなりました」
「国立で帝大以上って」
「何処なんですか?」
「戦前の日本にあったんですか?」
「まさか武専か?」
 ここで学生の一人が言った。
「ひょっとして」
「武専って何だ」
「そんな学校あったのか?」
「戦前にあったんだよ」
 その学生は友人達に話した。
「実はな、国立かどうかうろ覚えでも柔道や剣道や長刀の専門学校で京都にあったんだよ」
「そうだったのか」
「そんな学校あったんだな」
「かつてはそうだったんだな」
「そうだよ、そしてな」
 それでというのだ。
「それぞれの学科で一学年で二十人だけしか合格しなかったんだ」
「柔道と剣道と長刀でか」
「それぞれ二十人ずつか」
「それ滅茶苦茶少ないな」
「また凄いな」
「そこか?武専は東大入るより難しかったらしいしな」
 こう言った、だが。
 博士は笑って彼等にまた話した。
「そこでもない」
「じゃあ何処なんですか」
「武専じゃないってなると」
「一体何処なんですか」
「帝大でもないっていいますし」
「他の国立って一体」
「海軍じゃよ」
 博士はわからないままの学生達に話した。
「それはな」
「えっ、海軍ですか」
「海軍ってそんなに凄かったんですか」
「そうだったんですか」
「陸軍士官学校も東大以上に難しかったが」
 合格して入学するにはというのだ。
「海軍兵学校はその陸軍士官学校以上に難しかった」
「っていうと」
「播磨教授海軍の人ですか」
「兵学校出身ですか」
「海軍士官だったんですか」
「海軍士官であったが兵学校出身ではないぞ」
 博士はそこは断った。
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