第一章
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成績優秀で
八条大学経済学部名誉教授の播磨慎は抜群の知識と教養そして頭の切れを持っている。もうかなりの高齢で第一線を退いているがその頭脳はよく知られている。
細い目で白髪をオールバックにして前の部分をリーゼントの様にトサカにしている。面長で背は一七四程ですらりとして背筋がよくスーツもよく似合う。
いつも穏やかで冷静であり知的な雰囲気に満ちている、学究精神旺盛で学問については誰よりも優れていると言われている。
論文も非常によく学校の勉強でも素晴らしく東大文一の入試問題を常に満点解答することが特技の一つとさえなっている。
兎角素晴らしい頭脳の持ち主で彼を知る学生達は言っていた。
「兎に角頭がいいからな」
「百歳近くでもだからな」
「学生時代どうだったんだろうな」
「やっぱり物凄く頭よかったんだろ」
「中学は天王寺だったらしいな」
大阪でも屈指の中学であった、旧制中学であり今で言うと中学校だけでなく高校も兼ねている様な場所だった。
「そこから京大言かれたのか?」
「当時帝大だったな」
「そこに通っておられたのか」
「それか東大か?」
「どっちにしろ凄い大学出ておられるんだろうな」
「戦前の帝大でな」
「そこでも首席だったんだろうな」
「今でも東大文一の入試満点だからな」
このことが言われるのだった。
「それだけの方だとな」
「やっぱりそれ位だな」
「そうだよな」
「そうしたとこ出ておられたんだろうな」
こう話していた、それでだった。
播磨は東大出身か京大出身かという話になっていた、だが。
本人に聞くのも失礼と思い実際はどの大学を出ているのかわからなかった。それで彼のことは色々言われる様になった。
「海外留学されていたかもな」
「戦前でそれ凄いな」
「けれどそれも有り得るな」
「あれだけの方だとな」
「知識と教養は凄いっていうし」
「それだとな」
こうしたことを話していた、しかし。
確かなことはわからなかった、播磨を知る彼等は兎角彼のことを何かと話していた。それは食堂でもだった。
「東大だろ」
「いや、京大だろ」
「東北大じゃないのか?」
「九州じゃないのか」
他の帝国大学の説も出て話していた、しかし。
その話を聞いた小柄な長めの白髪で顔中を白い髭で覆われた黒いマントの小柄な老人が言ってきた。
「お前さん達播磨君の話をしておるな」
「えっ、悪魔博士ですか」
「今日はこちらですか」
「こちらにおられましたか」
「うむ、今日はここのうどんを食いたくてな」
それでとだ、悪魔博士と言われた老人は答えた。
「それで来た、それで播磨君の学校の話か」
「あの人抜群に頭いいですよね」
「もう天才って言っていい位に」
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