七十一匹目
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を錬成する。
透明なガラスなので顔立ちがわかりにくいがショートカットの、ややツリ目の美人。
これはグリモワールに魔法式を書いているので量産型だ。
「またそんなもの作って、怒られるわよ?」
「いやいや。これに関してはツェツィーリア様とお母様の許可得てるから」
陽光を受けて煌めくそれを操る。
まずはしゃがませる。
クリスタライトメイデンは約180センチの巨躯だ。
プラモデルのように可動部を設けたチェストアーマーを開く。
そこにはぽっかりと穴があき、はめ込むためのソケットがある。
「ティア」
アイテムボックスから取り出したスライムコアを窪みにはめ込む。
「なるほど。ティアの戦闘用ボディかしら」
「そういうこと」
すると指示を与えることなくクリスタライトメイデンが胸部装甲を閉じた。
石英ガラスなので装甲の奥にスライムコアが見えている。
「ティア。なんか踊って」
『かしこまりました』
ティアが腰にさした剣を抜き、ゆっくりと演武をを舞う。
その間僕自身の魔力は一切減っていない。
「綺麗ね」
「でっしょー? 人体に等しい可動域を備え全身に魔力循環用スリットと多重積層魔法陣を備えてるから人外の動きも可能。コアと各部の伝達速度は人間を凌駕する」
人間の反応速度が約0.2秒らしいが、それよりも遥かに速いことだけは確実だろう。
獣人である僕が頑張って見える速さというのはそういうことだ。
「狐君。そのゴーレム強いのか?」
と僕の肩にシャクティが手を置く。
「さぁ?それはわからないね。それを試すときが来ないことを願うばかりさ」
「へぇ?」
とシャクティが僕の前に一歩出て腰の剣に手をかける。
「今は」
やめて欲しいなぁ。と続ける事が出来なかった。
シャクティが一瞬で構え、黒い風が吹く。
風刃抜刀。
シャクティの金剛刀に僕が仕込んだ真空の刃を飛ばす魔法と、抜刀術の二段構えの魔法剣技。
一秒にも満たぬ時間で放たれた二撃はクリスタライトメイデンの剣と障壁に弾かれた。
真空刃は障壁で、居合は剣で。
ギャギィィンとほぼほぼ重なって聞こえた音が、放たれた二撃とそれが防がれた事を示していた。
クリスタライトメイデンと鍔迫合うシャクティ。
だが体格差で上から抑え込まれている状況は良くないと思ったのか即座に引いた。
「シャクティ? 貴女が脳筋なのはいいけれど、怒られるのは私とシラヌイなのよ?」
とクーちゃんが戻ってきたシャクティの尻を蹴る。
割と強く蹴ってるけどシャクティは平気そうだ。
「そう。貴女は、考え無し。頭はいいのに、思考を放棄しがち」
「考
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