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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第三百三十四話 初詣その十七

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「それで今もね」
「慎重で健全なのね」
「それで経営をやっているんだ」
 慎重過ぎると言われる時もあるけれどだ。
「けれど芸能もやっぱり」
「ホワイトでないと駄目ね」
「そう思うよ」
 それも心からだ。
「売れないと、売れても用済みならポイだとね」
「駄目よね」
「ジミ=ヘンドリックスがそうだったらしいけれど」
 所属事務所がこの天才ギタリストを只の金蔓としか思っていなくて徹底的に酷使していたとのことだ。
「若くして亡くなったけれど」
「あの人ね」
「今もそうした人は批判されているよ」
 彼を金蔓としか思わず粗末に扱った所属事務所はだ。
「無茶苦茶やっていたからね」
「何かドラッグ与えて」
「そしてね」
 そのうえでだ。
「物凄いスケジュールだったから」
「コンサートやたら入れて」
「酷使して」
「二十七歳で亡くなったのよね」
「ドラッグ中毒でね」
 まさにそれでだ。
「マネージャーも酷かったし」
「一番どうにかしない人でも」
「そんなのだったからね」
 誰かに殺されたらしいが後で見たという人もいたという、一体どうなったのか謎なのがどうにも不気味だ。
「ジミ=ヘンドリックスは不幸だったよ」
「悪い事務所に入って」
「折角だったのに」
 天才とまで言われたのにだ。
「そうしてね」
「若くして」
「そう、亡くなってね」
 そうなってだ。
「本当にね」
「不幸よね」
「それで事務所は今でも批判されていて」
 それでだ。
「歴史に残っている位だから」
「芸能事務所もホワイトでないといけないわね」
「人を粗末にする事務所はね」
 こうした話が多くてもだ。
「やっぱり駄目だよ」
「芸能界もホワイトね」
「さもないと」
 それこそだ。
「そうなるからね」
「ジミ=ヘンドリックスの事務所みたいに」
「なることがわかっているから」
 それでだ。
「八条グループはね」
「芸能事務所もなのね」
「ホワイトだよ」
「そうなのね」
「うん、じゃあショーは終わったし」
 それでだ。
「後はね」
「お化け屋敷ね」
「そっちに行って」
 そうしてだ。
「その後はね」
「もうよね」
「お参りに行こう」
「それじゃあね」
 二人で話してだ、僕と香織さんは見世物小屋を後にした。そうしてそのうえで次は隣のお化け屋敷に向かった。


第三百三十四話   完


                2021・6・1
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