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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第三百三十四話 初詣その十四
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「こうも考えておられるらしいから」
「出ておられるのね」
「そうみたいだよ」
 親戚の人が言うにはだ。
「人の為にすると自分の為にもなる」
「人を助けてなのね」
「我が身助かるだね」
「これ天理教の考えだったかしら」
「そうだよ、神道でもこの考え否定していないから」
 これといってだ、神道の教えはかなり色々あってこうした考えも決して否定しない。非常に寛容な宗教だと言える。
「そのお考えでね」
「毎年ここでショーを披露されてるのね」
「人の為で」
「自分の為でもあるのね」
「そうだよ、ただ同時にね」
 僕はここで思わず複雑な笑顔になった、そのうえで香織さんに話した。
「同じ事務所のタレントさん今頃南極に向かってるんだ」
「南極?」
「そこに行く船に乗ってるよ」
「南極ってどうして」
「いや、親戚の人があるタレントさんの頑丈さに注目して」
 何でもご本人はアイドル志望で元々そちらのオーディションに合格して採用となったらしい。社長である親戚の人が言うには。
「比婆山とか剣山とか池田湖とかにテレビの取材で行ってもらって」
「比婆山ってヒバゴンの?」
「未確認動物の番組に現地レポーターとして出してもらって」
 アイドルでデビューしてデビュー曲を出すと同時にだったらしい。
「そこからボルネオ島のジャングルとかネス湖とかニューギニアとかにね」
「行ってもらってなの」
「完全に冒険家の扱いにして」
 その身体の丈夫さに注目してだ。
「それでね」
「未確認動物の番組に出て?」
「あと秘境にも行ってもらってね」
「そうしたところにもなの」
「アマゾンとかね」 
 他にもオーロラの輝く北欧の北とかさまよえる湖の楼蘭とかシベリアとかロッキー山脈もあったらしい。
「そして遂に時は来たって僕の親戚が満面の笑顔で言って」
「南極なのね」
「その人がフロリダから帰ってすぐだったらしいよ」
 フロリダで昔四人の少年を襲ったと言われている恐竜の様な未確認動物を探してだったとのことだ。
「南極の方を指差してね」
「南極に行こうだったのね」
「言われて流石にいい加減正統アイドルの活動したいって言ったらしいけれどね」
「元々アイドル志望で」
「何で冒険家になってるのかってね」
 そう言っていたらしい。
「歌も結構出してるけれど」
「売れてるの?」
「そこそこね、ただアイドルの曲じゃなくて」 
 実は歌も上手い。
「冒険のコメディータッチな曲とかなんだ」
「そっちなの」
「もうアイドルとはね」
 ご本人の希望通りのだ。
「離れてるね」
「それは言うわね」
「けれど親戚、従兄の人が言うには」
 僕の数多い従兄の一人だ、八条家も人が多いので従兄弟も従姉妹も多い。叔父さんや叔母さんもで甥や姪もい
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