暁 〜小説投稿サイト〜
SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第二章 〜罪と罰〜
その十五
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
    *     *     *     *     *     *


 放課後、稟はシア・ネリネ・楓・柳哉の四人と下校していた。

「ん? あれって……?」

 最初に気付いたのはシアだ。

「お父様、ですね。何かあったんでしょうか?」

 芙蓉家の前に(たたず)んでいるのは、すっかり見慣れた魔王フォーベシイだ。

「やあ、お帰り。お揃いだね」

「魔王のおじさん、どうしたんですか? まさかプリムラに何か!?」

 プリムラが検査のために芙蓉家を出たのは四日前。いつもならそろそろ帰ってくる頃だ。稟達に緊張が走る。

「ああ。そのプリムラの事なんだが……。ここでは何だし、中で話そう」

 そう言って芙蓉家に入ろうとする魔王。そこへ声が掛かった。

「フォーベシイ殿。その話には俺は関わらない方が宜しいですか?」

 柳哉だ。確かにこの場では唯一の部外者であり、プリムラの“事情”を知らない。何らかの重要な、あるいは特殊な存在である事には気付いているが。魔王は少し逡巡(しゅんじゅん)した後、言った。

「いや、柳ちゃんにも知っておいてもらった方がいいね。」

「分かりました」

 揃ってダイニングへ移動する。

「魔王様、あの、リムちゃんは……」

「ああ、心配しなくていいよ。別にプリムラ自身に何かあったわけじゃないから」

 稟と楓がほっと息をつく。しかし、

「逆を言えば、プリムラの周囲に何かある、ということですか?」

「流石、鋭いね。柳ちゃん」

「恐縮です。それで、何があった、もしくはあるんですか?」

 再び稟達に緊張が走る。

「ああ。よく聞いて欲しいんだけどね」

「「「「「……」」」」」

 ごくり、と唾を飲む音が聞こえそうな程の緊張感。

「明日からバーベナ学園に通うことになったから」

「「「「「……はい?」」」」」

「いやだから、明日からバーベナ学園に通うことになったから」

 理解したのだろう。心配して損した、と言わんばかりの柳哉。一方稟達四人はまだ疑問顔だ。仕方無い、と言わんばかりに説明する。

「要するに、だ。明日からプリムラが俺達と同じバーベナ学園に通うことになった、って事。違いますか?」

「いや、違わないよ。ちなみに学年は稟ちゃん達の一つ下になるから」

「「「「ええーーーっっっ!!??」」」」

 稟達(柳哉除く)の絶叫が響いた。 
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ