暁 〜小説投稿サイト〜
SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第二章 〜罪と罰〜
その十五
[3/4]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
「土見くん、まさか……同性愛趣味とかじゃないわよね?」
妙な火種を撒く麻弓。
「そうなの稟くん!?」
「そうなんですか稟様!?」
「そうなんですか稟君!?」
一気に稟に詰め寄る三大プリンセス。その表情は必死だ。
「いや違うからな!? 俺は女の子が好きな至ってノーマルな男だから!」
「「「ほっ」」」
どことなく赤い顔をしながら静まる三大プリンセス。
「で、本当に何も無かったわけ?」
「くどいぞ麻弓」
「やれやれ、楓も大変ねえ」
「そんなこと、ありませんよ」
「ほほう。本妻の余裕、というやつですな」
懲りずに再度火種を撒く。
「そういうわけじゃありませんけど……」
「けど?」
「私は、稟君を愛していますから」
そう言って笑う楓。その笑顔は、稟ですらそう見たことがない程に、美しかった。
「つ・ち・み・くーん? 楓にあーんな幸せそうな顔させておいて、何もなかった、なんて言うつもり?」
「稟、殴っていいかい? 上空を飛行中の旅客機を撃墜せんばかりの勢いで!」
「断固拒否する!」
というかお前はいつの間にエビフライ状態から脱したのか。
「ん……?」
教室の外が何やら騒がしい。『土見稟!』とか『許すまじ!』とか聞こえてくる。おそらく、というか間違い無く、KKKの皆さんだろう。救いの手を求めて幼馴染の姿を探す。いた。
「まあ、がんばれ」
……救いの手は、来なかった。
「ああもう!」
半ば
自棄
(
やけ
)
になりながら教室を飛び出す。それに気付いたのだろう。『逃げたぞ!』『追えー!』と言った叫びが聞こえた。
「いいの?」
麻弓の問い掛けに答える。
「“獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす”ってな」
我が子じゃないけどな、と言って笑う柳哉。と、そこへ、
「柳君」
「ん?」
「ありがとうございました」
「……もう、大丈夫みたいだな」
「はい、ご心配をお掛けしました」
苦笑しつつ提案する。
「なあ、楓」
「はい?」
「頭、撫でてもいいか?」
「え、と。あの?」
「ああ、別に嫌ならいいんだ」
髪は女の命って言うしな。と笑う柳哉。しかし、
「あの、良ければお願いします」
「ふむ、それじゃ遠慮なく」
柳哉は楓の頭に手を載せ、ゆっくりと撫でる。心地良いのか、楓は目を細めている。そんな二人は、
「私に兄がいたら、こんな感じなんでしょうか?」
「……誕生日で言えば、俺の方が年下なんだが……」
「ふふ、冗談です」
まるで、仲の良い兄妹のようだった。
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ