第三百三十四話 初詣その九
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「あのね」
「どうしたのかな」
「いえ、あの人スタイルいいわね」
言うのはこのことだった。
「グラビアもいけそうね」
「実はそちらでも人気なんだ」
「やっぱりそうなの」
「あのスタイルで」
小柄でそれでいて均整の取れたものでだ。
「それでお顔もいいね」
「整ってるわね」
「女優さんみたいだよね」
「プリンセスさんとはまた違った感じね」
「髪の毛も奇麗だしね」
黒くて長い艶のあるものでだ。
「だからね」
「グラビアでもなのね」
「人気があるんだ、写真集も出されているよ」
しかも一冊ではなくだ。
「何冊もね」
「そちらでも人気なのね」
「美人マジシャンとしてね」
イリュージョンの達人としてだ、
「それでね」
「余計に人気なのね」
「そうなんだ」
「確かにこのスタイルなら」
香織さんもまじまじと見ている、今度は大型の水深三メートル以上の水槽が出された、そこに入る前に。
両手両足を鎖で縛られ重りまで付けられている、燕尾を脱いだその服装は完全に水着のものになっている。
その様子を見つつ香織さんは僕に話した。
「かなりの人気よ」
「そうだよね」
「それでだけれど」
僕は香織さんにさらに言ってきた。
「この人小柄だけれど」
「大体一五〇位だね」
公称でもそうなっている、ただし公称は公称で実際とは違う。八条グループの中の声優事務所の社長さんの一族の人は僕に笑って女性声優さんは公称よりも小柄である人が結構な割合でおられると僕に話したことがある。
「見たところ」
「それ位よね」
「うん、プリンセスさんも小柄だけれど」
それがまたいいという人がいる。
「この人もね」
「小柄よね」
「別に小柄じゃないといけないってことはないと思うけれど」
僕が思うにだ。
「体操選手と同じで」
「女の人だと小さい人多いわね」
「イリュージョンも激しい運動するしね」
練習もかなりのものらしい。
「だからね」
「小柄になるの」
「体操って身体全体を使うから」
身体中の筋肉をだ。
「背よりも筋肉に栄養がいって」
「小柄になるの」
「そう聞いたことがあるの」
「だからなの」
「プリンセスさんは元々だったらしいけれど」
アイドル時代からだ。
「この人もね」
「小柄なのね」
「体操選手みたいにね」
「そうなのね」
「そうだと思うよ、しかし」
僕は舞台を観てあらためて香織さんに言った。
「これからのショーはね」
「お水の中に入るわね」
「それでね」
水槽の中に入ってだ。
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