第三百三十四話 初詣その三
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「結構な大きさでね」
「出店じゃないでしょ」
「見世物小屋みたいな感じでね」
そうした風でだ。
「あるんだ」
「そうなのね」
「実際の見世物小屋もあるよ」
こちらもだ。
「お化け屋敷の隣にあるんだ」
「そうなの」
「うん、ただね」
僕は香織さんにさらに話した。
「昔あったらしいけれど変わった外見の人を見せたりしないよ」
「昔の見世物小屋ってそうした人を見せていたのよね」
「そう、結構色々ね」
「そうした人をなのね」
「見世物にしていたんだ」
「今とは全然違うわね」
「昔はそうした人を見せて」
そうしてだ。
「お金を稼いでもよかったし見られる人もね」
「見世物にされてよね」
「生計を立てていたんだ」
「そうだったのね」
「今と人権とかの感覚が違うから」
それでだ。
「そうしたこともあったんだ」
「そうだったのよね」
「戦争前とかあったらしいよ」
その頃はだ。
「所謂奇形の人を見せて」
「見られて」
「生きていたんだ」
「そうした時代ってことね」
「要するにね、ただ蟹人間とかは」
蟹と人が合わさったみたいな外見だという。
「造りものだから」
「実際は違うのよね」
「蟹のおもじゃから顔を出したとか」
「そうした風ね」
「本当にそうした人はいないと思うよ」
「そうなのね」
「奇術はあるけれどね」
マジックはだ。
「そこの見世物小屋ではね」
「マジックを見せるのね」
「うん、凄いマジックだよ」
「イリュージョンみたいな」
「プリンセス天功さんみたいなね」
僕も好きな人だ、小柄でお顔立ちが整っていてスタイルもいい。元はアイドルだったそうだけれどマジシャンになって正解だったと思う。
「そんな人なんだ」
「あの人みたいなの」
「うん、凄いよ」
「プリンセスさんみたいっていうと女の人?」
「そうだよ」
香織さんに笑って答えた。
「その人はね」
「そうなのね」
「とはいっても将軍様には好かれてないだろうね」
「将軍様ね」
「前の将軍様ね」
香織さんに笑ったまま話した。
「あの人プリンセスさん好きだったそうだから」
「それ私も聞いたわ」
「知ってるんだ」
「ファンだったのよね」
「あの人そういうの好きだったらしいから」
映画に音楽にそうしたものが好きだったとのことだ。
「だからね」
「プリンセスさん迷惑していたって」
「殆ど追っかけらしいから」
そこまで好きだったらしい。
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